こんにちは! KAGOSHIMA食×スポーツから8回目の登場となる今村です。

すっかり秋らしい気候になった…と思っていたら、あっという間に11月。新しい生活様式にも慣れてきて、コロナ禍ではありますが、様々な工夫をしながら運動会や競技会が開催されているニュースを聞くと、うれしくなります。

抗酸化は老化防止や美容だけではない

さて、これまで燦々と降り注ぐ日の光の中で運動を続けて来た方、最近疲れが抜けにくい、などと感じていらっしゃる方は日常、「抗酸化」を意識して食品を選んでいますか? 「抗酸化」と聞くと、老化防止や美容、生活習慣病などの病気に関係あることと思われがちですが、実はスポーツ選手にとっての「抗酸化」、つまり体の酸化を防ぐことは、トレーニングをこなすためのコンディションを整える上で、とても重要なことになります。

活性酸素が増えすぎると悪影響及ぼす

私たちの体内では、食べたものを消化・吸収して栄養とし、身体の合成や運動に使っていますが、この過程で酸素を必要とします。そこで、酸素を利用する際に発生するのが「活性酸素」です。

活性酸素は、細胞や血管を傷つけて、炎症や動脈硬化などを発生・促進させると言われていますが、人には、この活性酸素を消去する機構(=抗酸化機構)が備わっています。しかし、活性酸素の生成が抗酸化機構を上回った場合、酸化ストレスとして様々な症状をもたらしてしまうのです。

大量に酸素を必要とするスポーツで酸化

どのような時に活性酸素の生成が増えるのかというと、その1つがスポーツです。スポーツをする時には、当然ながら呼吸の数が増え、たくさんの酸素を体内に取り込んで利用しています。その結果、活性酸素も大量に産生されることになります。

その際、うまく活性酸素を消去できないと、疲れが取れなかったり、免疫力が落ちたり、結果的にコンディションやパフォーマンスに悪影響を及ぼすことにつながってしまいます。このような状況に陥らないために、スポーツ選手には、日頃から抗酸化作用を持つ食べ物を意識して食べて欲しいところです。

生よりもジュースの方が吸収高いリコピン

今回は、抗酸化物質の1つである「リコピン」に注目しました。リコピンは天然の赤色色素で、カロテノイド(ビタミン)の一種です。トマトに含まれていることで有名ですが、他にはスイカなどにも含まれていて、強い抗酸化作用を持つことが明らかになっています。

リコピンを効果的に吸収する方法としては、生のトマトをそのまま食べるよりも、細胞を壊した状態、つまりジュースやピューレの方が良いでしょう。また脂溶性(油に溶ける)ビタミンですので、油料理に利用した方が、よりリコピンの吸収が高まります。

生のトマトは食べるけれどもジュースは苦手、という声も聞きますので、料理の中にトマトジュースを利用した「トマトジュースすき焼き」を紹介します。これからの季節にすき焼きはぴったりですが、そこにトマトを入れて、割り下にトマトジュースを足します。

このトマトジュース入りの割り下は、鶏肉の煮物や肉じゃがなど、他の料理もおいしくしてくれる万能調味料になりますので、是非お試しください。

KAGOSHIMA食×スポーツ/管理栄養士・今村佳代子