普段、子どもと一緒に食材を買いにいくことはありますか?

忙しくて必要最小限の買い物で済ませることも多いかと思いますが、スーパーでの買い物でも季節を感じることは多々あります。ちょっと郊外に出かけて地域の農産物直売所に立ち寄ると、ほんの短い時期だけ収穫できる、その地域の近隣だけで販売されるものと出会うことがあります。

合宿などで子どもたちと食事や食材の話をすると、食材をよく知っている子もいれば、話の輪に入れずきょとんとしている子もいます。ただでさえ、昔に比べると新しい野菜や食材が増えているので、覚えるというより好奇心をもって見たり買ったりすることが、子どもたちの食への興味を広げることにつながる気がします。

今回は「葉タマネギと豚肉と油揚げの炒め物」を紹介します。野菜料理ですが、豚肉と油揚げからタンパク質が20gとれる、主菜と副菜が一緒になったおかずです。

「葉タマネギ」とは、葉付きのまま若い状態で収穫したタマネギです。一般的なタマネギは、玉の部分が大きくふくらみ、葉が枯れてから収穫しますが、葉タマネギは成長途中に葉ごと収穫します。そのため、長ネギのような葉と小さなタマネギの部分の両方を味わえるのが特徴です。千葉県が一番の産地で、ほんの短い期間限定の食材です(参考:葉タマネギ|旬鮮図鑑/千葉県 chiba.lg.jp)。

葉タマネギは普通のタマネギよりも栄養価は高く、葉っぱ部分はβカロテン、葉酸、ビタミンB群も含みます。ネギやタマネギを切ると、ツーンとする香りがしたり、目に染みたりする原因は「硫化アリル」という成分が含まれているからです。硫化アリル(アリシン)は、豚肉などに多いビタミンB1の吸収を助けます。葉タマネギに限らず、ネギ類と豚肉の相性はとてもいいのです。

葉タマネギが手に入らなければ、長ネギでも地域にあるネギ類を代用しても良いでしょう。からだづくりに必要なのは、主食(炭水化物)と主菜(タンパク質源)だけではなく、しっかりアシストするビタミンやミネラルも大切です。便通を良くする意味でも、副菜をしっかり摂るようにしましょう。

管理栄養士・月野和美砂