「うちの子はこれを飲んで大きくなったの」
「そうなの? じゃあ使おうかな」

このようなやり取りが、SNS上のあるスポーツの愛好家の集まりでありました。具体的なサプリメント名や商品名が次々紹介されていました。

購入の際に、実際に商品を使った人の経験からなる口コミ(クチコミ)やレビューを判断材料にすることもあるでしょう。しかし、サプリメントの購入に関しても、このような口コミから簡単に購入してしまうことへの危惧。これが6年前に自ら企画して「背を伸ばす!」というセミナーを始めたきっかけです。

子どもの成長ピークには個人差がある

子どもの成長にはピークがあり、そのピークがいつ訪れるかは個人差があります。男の子同士の兄弟でもそのタイミングに差があり、女の子同士も同じです。

特に男子の場合、ピークが早い子は小学校高学年でかなり大きくなります。ピークの遅い子は、周囲に取り残されたように感じるので、子どもも保護者も焦り、心配になるのでしょう。

でも、そこで本当にサプリメントが必要かどうか、食事では本当にまかなえないものなのか、立ち止まって考えてみてほしいところです。栄養バランスのとれた食事で必要な量がしっかりとれれば十分なわけで、「念のためのサプリメント」「万が一のサプリメント」は不要です。むしろ、必要でない余計な成分をとることにつながります。

タンパク質、カルシウムのほか様々な栄養素

「身長が伸びる=骨が伸びる」ことなので、骨に関わる栄養素としてはタンパク質とカルシウムが大切です。十分なエネルギー(糖質)をとることはもちろん、カルシウムの吸収力を高めるビタミンなど、日々の食事で色々な食材をとることで、多くの子どもたちの体は成長していきます。

食事を整えるのと同時に、子どもの体重や身長をきちんと測定しましょう。成長ピークと言っても、一晩で5センチや10センチ、背が高くなるわけではありません。ピークに差し掛かってきたかどうかは、よく観察することが大切です。子どものカラダが大きくなろうとしているタイミングを見逃さず、必要なエネルギーと栄養を食事でしっかりとらせましょう。

今回は、成長期の子どもにぴったりな「ホウレン草と牡蠣のぐんぐんチャウダー」を紹介します。

牡蠣には成長ホルモンの分泌や生成に関わる微量栄養素の亜鉛が多く含まれています。亜鉛は摂取しにくい微量栄養素ですが、冬の時期なら牡蠣鍋なども含め、亜鉛を効率よくとれます。今回のレシピは牡蠣を刻んで入れることで、火の通りも早く、うま味も出やすくしています。

牡蠣に加えてホウレン草、チーズ、牛乳も使い、骨を丈夫にするカルシウムがたっぷり。さらに鉄分や葉酸、ビタミンB群もとれるとあり、体作りに役立つスープです。

成長期の子どもの体は、食事で大きくするのが一番安心です。栄養豊富な食材を使った「ホウレン草と牡蠣のぐんぐんチャウダー」で、身長がぐんぐん伸びるための材料を子どもの体に入れていきましょう!

管理栄養士・月野和美砂