私が指導する中学生女子のバレーボールクラブは10月末、今年も1泊2日で東北アイリーグに参加させていただきました。コロナ禍での行動制限が緩和されたことで、コロナ前に非常に近い雰囲気で行われました。

我がチームは初日の2試合に勝利。しかし、2日目の青森のチームとの対戦では一時リードしていたものの、結局1セットもとれずに敗れました。

選手は試合をする以外に、「東北の友だちをつくる」という課題がありました。帰り際、近くにいた選手に「せっかくだから青森のチームの選手と友だちになればよかったのに…」と声をかけると、「でも、負けた相手だと悔しいじゃないですか」と返ってきました。淡泊な印象を持っていた子から「悔しい」という言葉が出てきて少し驚いたのと同時に、悔しいと感じられる試合ができてよかったと思いました。

コロナ禍で喜びも悔しさも経験少なく

現在の中学3年生、高校3年生はコロナの影響を最も大きく受けた学年です。進学と同時に休校が続き、学校生活、行事、そして学校外でのクラブでの活動も半年以上できないうちに2年生になり、思う存分活動できない中で最終学年を迎えています。スポーツにおける練習も試合も合宿の経験も少なく、その分、「うれしい」「楽しい」だけでなく、「悔しい」と感じられる場面も少なかったわけです。

この悔しさが今後、課題をもって練習するきっかけになると思います。選手たちの収穫を実感でき、今年も宮城に行けて良かったと思いました。

解散後、「帰宅したら、遠征中はどうしても少なくなりがちだった副菜をしっかり食べ、腸のコンディションを整えましょう」と選手たちに連絡すると、すぐに「了解!」のスタンプが次々と送られてきました。日頃の栄養指導が少しずつ浸透してきているようです。

今回は「サトイモのポタージュスープ」を紹介します。遠征会場で1年ぶりに再会した方からいただいた“幻のサトイモ”と言われる「上伊場野(かみいばの)里芋」を使ってみました。宮城県大崎市で江戸時代から200年以上栽培が続いているものの、他の土壌で同じように育たず、生産量が少ないことから「幻」と呼ばれている伝統食材です。

宮城県大崎市で江戸時代から200年以上栽培が続く「上伊場野(かみいばの)里芋」
宮城県大崎市で江戸時代から200年以上栽培が続く「上伊場野(かみいばの)里芋」

サトイモには特有の粘りがありますが、これは水溶性の食物繊維です。水溶性食物繊維は腸内環境を整えたり、糖質の吸収を抑えたりする働きがあります。

サトイモのねっとり感と牛乳だけ

この粘りやねっとり感で濃厚になるので、バターや生クリームなどは使わず、牛乳を加えるだけで十分においしく作れます。低脂肪牛乳や無脂肪牛乳を使えば、脂質はもっと低くなります。

サトイモは年間を通じて店頭に並びますが、冬に向かうこの時期も旬のものが手に入ります。サトイモは煮物のイメージが強く、特に男性や子どもで好まない人も多いようですが、ポタージュスープにすると、印象が一変するかもしれません。

試合後は「サトイモのポタージュスープ」で疲れたカラダを回復させ、「悔しさ」を「うれしさ」に変えられるよう、頑張って練習をしていきましょう。

管理栄養士・月野和美砂