私が指導する中学生女子のバレーボールクラブは9月に合宿を行いました。新型コロナの感染予防の観点から、2個所に分かれて宿泊しました。

合宿というと長時間、いつもより一段と苦しく厳しい練習をするというイメージがあるかもしれませんが、私が指導するクラブはそういったことはありません。目的は「自分で考えて行動する」こと。例えば、自分で起床して身支度し、使い終わったシーツや毛布をたたみ、各担当ごとに清掃を済ませ、予定時間までに練習に出発できるように準備をすることが挙げられます。

今回は食事当番を交代で、配膳だけでなく、食器洗いから拭いてしまうことまで役割として与えました。普段、家庭で食器を洗っている子もいれば、洗ったことがない子もいます。洗っている子は自分から「このお鍋も洗っていいですか?」「拭いたボウルはどこに置きますか?」と気付いて聞いてきます。

自ら考えて行動するということは「あらかじめ考える」「行動の段取りをつける」ことが必要です。日常生活はある意味、ルーティンになっており、毎回考えずとも行動できますが、集団でタイムスケジュールの決まった状況ではその段取り力が必要で、合宿ではそれが自然に鍛えられます。小中学生年代で身に付けておくと、その後の時間の使い方にまで良い効果が出てきます。

通常の練習でも、自分で考えて行動するよう指導していますが、親元から離れた状況ではどの子も大なり小なりその力を求められるのが合宿の良さだと思います。この経験で得たことが競技中の気付きにつながるでしょう。また、競技以外の場面でも生きるはずです。自分の進路を考えたり、先を見通したりする力にもなっていくのです。

家庭に食器洗い乾燥機が普及し、手洗いすることが減ったとしても、食事の準備や片付けでやることは多々あります。私はセミナーでも「家事をすることが競技力アップに影響する」と話しています。子どもたちの成長のために、家庭でも家事をさせる機会を増やしていきましょう。

今回は「新ショウガと鶏ひき肉の炊き込みご飯」を紹介します。

新ショウガというと初夏のイメージですが、根ショウガにするために秋口に収穫したものも新ショウガとして出回ります。

ショウガの香り成分シネオールは食欲を誘い、疲労回復効果も期待できます。高タンパクな鶏のひき肉と一緒に炊き込むことで、エネルギーとタンパク質がしっかりとれる一品です。 炊き込みご飯は、材料と調味料を炊飯器に入れて炊き上げれば完成します。このような簡単な料理を子どもと一緒に作りながら、子どもの経験値を高めていきましょう。

管理栄養士・月野和美砂