コロナ禍で中止を余儀なくされていた合宿ができるようになり、以前の活動に少しずつ戻ってきた気がします。私が指導する女子中学生のバレーボールクラブは6月末に、他チームと合同で1泊2日の合宿を行いました。

食事はビュッフェ形式。定食形式と違い、自分が食べる料理のバランスや量を見極めて皿にとらなくてはなりません。まさに、普段の食べ方が反映されます。

盛り付けを見ていく中で、指導者をはじめ周囲が驚くほど朝食を食べる選手がいました。もりもりと食べた上、午前中の練習後半には「もうおなかが空いた!」と笑うほどで、頼もしい限りでした。

小柄ながら筋肉量アップ、体脂肪ダウン

長身が有利とされるバレーボールにおいて、彼女は小柄で、成長期も最終段階の中学3年生。今は除脂肪体重を気にかけて生活しています。

初めて体組成を計った昨冬から比べると、確実に筋肉量が増え、体脂肪率が抑えられて、球技系の女子アスリートとしてワンランクアップした体に進化してきています。練習では誰よりも元気に声を出してレシーブをし、全身を使ってジャンプして、中学校よりも高いクラブのネットでも打てるようになってきています。

一般的に中高生の女子は、成長スパート終盤になると、身長を伸ばす、体を大きくするといった意欲が失われ、体組成を整えるその後の体作りへの努力が続かなかったり、気持ちが向かなかったりする選手が多いものです。体脂肪が多いとなると、体重と脂肪にばかり意識が向き、食事量や糖質を極端に減らしてしまう選手もいます。

身長の伸びが止まった後の体作りも大切

身長には個人差があります。食事も運動も睡眠も、できる限り努力はしてきたものの、身長の伸びが止まり、思ったほど伸びなかったという現実に直面することも正直、あります。その後、自分の体とどう向き合っていくか、どんな選手を目指すのかは、大切な課題です。

身長の伸びが鈍化する成長期後半でも、この選手のように必要な食事をしっかりとりながら、練習やトレーニングを積極的に行い、筋肉量を増やして体脂肪を減らす「攻めのカラダ作り」をするのが理想的です。選手たちが「もっとうまくなりたい、できるようになりたい」と強く願い、その後の体作りを努力していけるように、私自身もサポートしていきたいと思います。

今回は「ズッキーニと鶏ささみ炒め」を紹介します。ズッキーニには細胞の抗酸化作用のあるβカロテン、エネルギー代謝に必要なビタミンB群もあります。鶏のささみでしっかりタンパク質もとれます。

成長期が終わったら体組成を意識していきましょう。3食しっかりとって、しっかり動いて、真のアスリートに進化していきましょう。

管理栄養士・月野和美砂