毎年、春になると、小中高生は健康診断を行いますが、この1年間でどれくらい身長は伸びたでしょうか。スポーツごとに体格的に有利な条件は違うものの、バレーボールはとりわけ身長の高い人が有利な競技です。バレーボールをしているジュニア選手の多くは、少しでも身長を伸ばしたいと思っています。

私が指導する中学生女子のクラブチームでは、毎月オンラインで栄養ミーティングをしており、今月は「身長をぎりぎりまで伸ばす」というテーマを取り上げました。身長を伸ばせるのは、人生のほんの短い期間です。しかも、どうやったら伸びるのか、伸ばせるのかは、遺伝的な要素以外に環境的な要素も複雑に絡んでいて、魔法はありません。

食事については、保護者が協力できる部分ですが、大きくなるために大事なのは食事だけではありません。睡眠も非常に大切です。それには、子ども自身の心がけが必要となってきます。

食事と睡眠、子どもが自分でどうするか

しかし、思春期になると、親の言うことを聞かなくなります。子どもを思って「早く寝なさい!」と親が言えば言うほど、子どもは反発したくなり、就寝時間も遅くなりがちです。また、身長を伸ばせる時期にどのような生活をするか、子ども自身に考えさせることが重要だからといって、いきなり「自分で考えなさい」と突き放しても、何を基準にどう考えたらいいのか分からないでしょう。

そこで親子間では第3者の立場であり、指導者である私が、必要な情報を提供するのです。その際もあえて、「情報提供はするが、身長が伸びるような生活をし続けるかは『自分で』決めることだ」と話しています。

成長スパート後半の中3の選手の中には、私の話を「一言も聞き漏らすまい」と必死に聞いている子もいました。1センチでも1ミリでも、できる限り身長を伸ばすためにどうすべきか、自分で納得すれば、自分の行動に責任を持つことでしょう。

今回は、身長を伸ばしたい、体を大きくしたいと願うジュニアスリートに食べて欲しい一品を紹介します。「グリーンピースとシーフードの炒め物」です。

春が旬のグリーンピース、タンパク質も

生のグリーンピースは4月から6月くらいが旬の時期で、日本では和歌山県や鹿児島県で多く栽培されています。マメ科の野菜ですが、タンパク質もあり、ビタミンB1、食物繊維のほか、葉酸も多く、鉄分もあります。このレシピでは、冷凍のシーフードミックス、高野豆腐、グリーンピースとタンパク質を色々なものからとれます。

「嫌いな野菜」アンケートで常に上位に挙がってしまうグリーンピースですが、その青臭さはヘキサナールという成分で、少し長く茹でれば減少します。ぜひお試しください。

管理栄養士・月野和美砂