新年度が始まりました。学年が上がり、生活環境が変わった人もいると思います。お昼は学校給食だったのが、お弁当を持参するようになった人も多いのではないでしょうか。

給食がない学校なら、年間で150~160回はお弁当生活となります。その1回ごとの積み重ねが成長や健康状態、競技力に影響します。

お弁当箱のサイズ、詰める割合

私が指導している中学生女子のクラブチームでは、先日の栄養ミーティングで「お弁当」をとりあげました。自分の活動量からお弁当箱のおおよその大きさを把握し、その中に入れる主食・主菜・副菜の比率、お弁当に詰めるときの注意点などを話しました。

お弁当は時間がたってから食べるため、水分が出ないこと、冷めてもおいしいこと、傷みにくいものを入れることなどおかず作りにも特有のポイントがあります。主食・主菜・副菜料理を3・1・2の割合で詰めるのには、実は頭を使います。慣れていないと決まったスペースにうまく詰められませんし、すき間が開いて、持ち運ぶ間に偏ってしまうといったこともあります。

栄養ミーティングの後は各自でお弁当を作って食べてもらい、完成したお弁当の画像と内容の説明、感想などを送ってもらいました。

選手が作った「きんに君弁当」
選手が作った「きんに君弁当」

内容的に改善する点はもちろんありますが、彩りやバランスを考え、保護者に手伝ってもらいながら作ったようです。

選手が作った「究極の弁当」
選手が作った「究極の弁当」

初めてにしては上出来でしょう。

選手が作った「美味弁当」
選手が作った「美味弁当」

何事もやってみる経験こそが大事

このように何事も1度やってみる、ということが大事です。頭で考えていたものとは違って難しいこと、手間がかかることもやってみたら分かります。逆に、意外と簡単だった、楽しかったと思うこともあるでしょう。

その経験こそが大切です。そこから得た気付きが、次の工夫やアイデアを生み出し、継続的な実践につながると考えています。自分でも作ることのできる定番弁当があれば、保護者が作れないときなど、いざという時に「買う」だけでなく、「自分で作る」という選択肢も生まれるのではないでしょうか。

今回は「タケノコ入りつくねバーグ」を紹介します。旬のタケノコを入れた鶏のつくねです。

ハンバーグのように大きく作ってボリュームを出しましたが、小ぶりにまとめれば、お弁当おかずの主菜にもなります。鶏ひき肉と卵黄で体作りに必要なタンパク質をしっかりとることができ、タケノコの食感も楽しめます。

管理栄養士・月野和美砂