アスリートの疲労回復の大切な要素の1つに「抗酸化」があります。抗酸化とは、体の中をさびつかせない(酸化を抑えること)ように増えすぎた活性酸素を除去することで、アスリートだけでなく一般の方も、健康維持のために意識したいものです。

活性酸素から体を守る抗酸化作用のある栄養素は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどがありますが、これら(ビタミンACE)を一緒に摂ると効果が高まります。また、アスリートには旬の抗酸化食材を取り入れることもすすめています。

イカ墨に適した「コウイカ」

今の時期、旬の抗酸化食材の1つが「イカ墨」です。細胞の再生やエネルギー代謝を促すビタミンB2やビタミンEが豊富です。抗酸化作用がある食材を色で見分ける習慣があるアスリートは、あの真っ黒の色を見ただけで取り入れた方が良い食材だと分かるでしょう。

イカには数多くの種類がありますが、食用で用いられているのは20~30種類といわれています。結構多いと思いませんか? イカ墨に適したイカは「コウイカ」といい、別名「スミイカ」と呼ばれるほど、墨が多い種類になります。

今回はこのイカ墨に、抗酸化食材であるトマトやニンジン、ブロッコリーを加えた主食「抗酸化イカ墨ビーフン」を紹介します。

代用するなら「イカ墨ペースト」

イカ墨について、よくアスリートから「市販のイカ墨ソースでもいいのか」と質問されます。残念ながら、現在市販されている商品のほとんどは、イカ墨よりも水あめや植物油の使用量が多いため、「代用はできない」と答えています。代用できるのは「イカ墨ペースト」で輸入食品店や“デパ地下”などで販売されています。

この季節の変わり目で体調を崩しやすい方はこの時期、抗酸化を意識した食事をしましょう。実際に、花粉症で悩まされているアスリートの中には、これらの抗酸化食材や魚油に多いEPAを意識した食事をしています。ぜひお試しください。

管理栄養士・川端理香