エネルギー源となる糖質を、米やパスタなどの穀類からではなく、野菜やイモ類から摂るようにしているアスリートもいます。

急激な血糖値上昇を抑え、ビタミン摂取

米などの主食は、手軽に安価に糖質を摂ることができますが、糖質以外の栄養素があまり含まれていなかったり、食べ過ぎたりして、体脂肪がなかなか落ちないことがあります。また、減量時などは主食の穀類を野菜やイモ類に置き換えて、食べすぎや急激な血糖値の上昇を抑えたり、運動時に多く必要となるビタミンなどを摂るようにしたりしているのです。

例えば、ある一定期間は、主食を米ではなく、サツマイモやカボチャに丸々置き換えてしまうアスリートもいます。穀類では摂れなかったビタミンCや食物繊維、βカロテンなどを摂る目的です。

爪が気になる選手はビタミンAを意識して

βカロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康維持や様々な細胞の増殖や分化に関わります。ビタミンAが不足すると免疫力が落ちるだけでなく、爪が割れやすいなどの症状もでてきます。競技の特性にもよりますが、爪の問題で悩むアスリートも結構います。あまり酷使していないのに爪の状態が悪いなど、気になるアスリートは、βカロテンを多く含む食品を摂り入れたいものです。

とはいえ、「米を摂らないのはストレスになる」という方は、今回紹介する「サツマイモとキノコの塩ごはん」といった炊き込みご飯はいかがでしょうか。マイタケやシイタケなどのキノコを使うことで、ビタミンDや食物繊維の量がアップし、身体強化や免疫にも良い影響を与えます。これから梅雨に入る時期には、日に当たる時間も少なくなるため、ビタミンD強化のために意識して摂り入れたい食材です。

調味料はシンプルに塩のみですが、カルシウムなどミネラルの含有量が多いものを使うことをおすすめします。食べる直前にはオリーブオイルやゴマ油などを数滴加えて食べるのも、ビタミンの吸収力アップにつながります。ぜひお試しください。

管理栄養士・川端理香