高校や中学の部活に呼ばれて食事のとり方などを講義する時、意外に多く質問されるのが、「はちみつレモンっていいんですか?」というものです。

結論からいえば、いいと言えます。レモンは、あのすっぱさからもわかるようにクエン酸が多く含まれます。クエン酸は、運動によって蓄積された乳酸を除去するということで積極的にとるアスリートもいますが、それ以外にも体に吸収されにくい鉄の吸収率をあげるなどの効果もあります。

ビタミンCが多いこともよくいわれますが、レモンに含まれるフラボノイドにも、活性酸素などの酸化ストレスを低減する効果が認められています。つまり、運動による骨格筋などの酸化損傷を抑えることにつながるのです。

また、はちみつは糖質が多いので、手軽なエネルギー補給になります。現在、Jリーグのチームは開幕にむけてキャンプ中ですが、高強度の過酷なトレーニングを行うためにエネルギー補給は重要で、果糖とぶどう糖からなるはちみつはエネルギー補給に最適です。さらにショ糖からなる砂糖とは違い、腸内環境をよくするオリゴ糖や、ミネラルなどもとれることから、甘みが欲しい時にアスリートはよく取り入れています。

私が「はちみつレモンはいいですか」と聞かれた際にはこういった栄養素の話もしますが、さらにエネルギーを効率よく補給するために、最近はこれにMCTオイルを加えることをすすめています。

脂質はいまだにさけることを優先するアスリートもいますが、脂質は種類によって体内での代謝経路が異なったり、身体への反応も異なります。他の脂質より数倍以上も消化の早いMCTオイルは、運動によるエネルギーの回復のために使えます。栄養素をみるとそのエネルギーや脂質の多さに驚くかもしれませんが、吸収のスピードなどの効率にも注目してほしいもの。今回の「はちみつレモンオイル」、ぜひお試しください。

管理栄養士・川端理香