今年はまだまだ暑い日が続くようです。しっかり食事で、抗酸化はできていますか。

プロ選手の中には、管理栄養士やレストランのシェフと契約をして、週に何回か食事を作り置きしてもらっています。作り置きなので保存容器に入っているわけですが、その写真を、使用した食材のメモとともに送ってもらいます。

いまや当たり前のことになりましたが、最初は、「シェフが作る食事は保存容器に入れてもこんなにきれいなのか」と感心したものです。ただ、作り置きなので、夏場は傷みやすいものもでてきます。しっかり加熱したり、塩を使ったり、時間とともに栄養価が落ちるものを避けるなど調整していますが、今年の夏に毎回作ってもらっていたものの1つが、この「スイカスープ」です。

血液循環を良くする効果も

スイカは水分が多いのですが、利尿作用があるために、水分補給には適さないと言われたこともありました。しかし、上手に取り入れれば、体内の水分の調整ができます。さらに、βカロテンやビタミンCなどの抗酸化ビタミンはもちろんのこと、シトルリンやアルギニンなども含みます。これらは血管を拡張させて血流を改善するなど、血液循環を良くする効果も期待できます。

ポイントは、皮に近い白い部分もなるべく取り入れること。この部分にはシトルリンが豊富です。果物として食べる際には、この部分はなかなか食べることはないと思いますが、このようにスープにしてしまえば、ある程度はとることも苦痛ではないでしょう。

ミニトマトもたっぷり使用

また、ミニトマトを多く使用します。固形だと甘みがある方が食べやすくなりますが、このスープの場合、そこまで甘みは必要がありません。新型コロナウイルスの影響で競技が延期や中断した際に、ミニトマトの家庭栽培を始めたプロ選手もいますが、ミニトマトはびっくりするほど簡単に多くの実をつけてくれます。もう今年の収穫の時期は終わりつつありますが、来年は自家製トマトでこのスープを作ってみると、経済的にもうれしいですね。

スイカ、ミニトマト、ニンニク…とシンプルな材料ゆえ、このようなレシピはオリーブオイルや塩などの調味料にこだわりをもつことがおいしさのコツ。塩も、種類によって味が変わるだけでなく、含まれる栄養素も異なります。このあたりも意識しながら上手に選びたいものです。

管理栄養士・川端理香