スポーツ栄養学は昨今、大変注目されるようになり、情報があふれています。しかし、普段の練習やトレーニングと同じで、食もトレーニングの一環です。

細胞は毎日少しずつ入れ替わる

私たちの身体は毎日少しずつ細胞が入れ替わっています。例えば、腸の細胞は数日、肌は約1カ月、血液の赤血球は約4カ月、骨は約5カ月といわれています。だから、日々の積み重ねが大切で、「今日これを食べたから、 明日何かが劇的に変わる」ということはありません。ただ、1人1人消化・吸収能力が違うので、同じものを同じだけ食べても同じ結果にはなりません。

何のために食べるのか、目的を明確に

前回のコラム「アスリートの食事を学ぶ前に『目的を明確に』、なりたい自分になるために」でも伝えたように、大切なのはまず、何のために食べるのか、目的をはっきりさせることです。

体重を増やしたい、減らしたい、パワーのあるカラダを作りたい、筋肉を効率よくつけたい、持久力を上げたい、バテないカラダを作りたい、貧血をよくしたい、集中力を高めたい、イライラしないようになりたい…などの目的がありますよね。「スポーツを頑張る人のための食べ方」を知ると、食べ物でカラダも心もコントロールできるようになり、なりたい自分に近づくことができます。

まずは食事量しっかり、エネルギーを確保

アスリートの食べるものは、決して特別ではありませんが、よく聞かれるのが、「何をどれだけ食べたらいいか」という質問です。その前に、だるい、疲れがとれない、集中力が続かない、イライラする…などを感じることはありませんか。

ジュニアアスリートは、大人よりもエネルギーを多く必要としています。その理由は、
①1日に使われるエネルギー量が多い
②筋肉や血液が壊されるスピードが速い
③発汗による水分、ミネラルの損失が多い
といったことからです。

生きていくためのエネルギー(基礎代謝量)だけでなく、成長に使うエネルギー、スポーツに使うエネルギーが必要なので、ジュニアアスリートは私たち大人とは比べものにならないほどのエネルギーを使っています。その分の食事量をとらないと、身体作りはもちろんのこと、普段の生活にも支障がでます。細かい栄養素を気にする前に、まずは食事量をしっかりとり、必要なエネルギーをとれているか確認しましょう。

上の図は、厚生労働省が5年に1回改訂している「日本人の食事摂取基準(2020年版)」からエネルギーの部分を抜粋したものです。スポーツをしている男子高校生は1食で約1100kcal、3食プラス補食で1日に約3500kcalが必要です。身長・体重、また運動量が多いときはそれ以上のエネルギーが必要となります。食の細い選手は、量とバランスの両方を急に気をつけようとすると食事が楽しくなくなってしまいますから、最初はバランスが多少崩れてもいいので、エネルギーを確保することを優先しましょう。

休息・睡眠も十分とることも大切

また、学校にスポーツにと詰め込んだ生活をしていると、食欲も落ちます。なかなか難しいとは思いますが、最低でも週に1日は頭も体もリフレッシュするためにオフを作りましょう。睡眠時間も確保しましょう。カラダが変わるのには時間がかかりますが、継続することで必ず変わってきます。焦らず頑張りましょう。

今回のレシピは「じゃこの和風オープンチーズトースト」です。静岡県内のチームに所属し、私がサポートするプロサッカー選手も使っているメニューです。

その選手は一昨年まで海外でプレーし、当たり負けしないように増量していましたが、帰国してからは身体を絞り、好結果を出しています。大好きな肉中心の食生活から魚中心の献立に切り替えたことで良いコンディションを保てているようです。

魚料理を増やすのはなかなか難しいですが、じゃこやシラスを使うと意外に簡単です。チーズも合わせて子どもでも作れるトーストですのでぜひお試しください。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・中野ヤスコ