冬こそ脱水に気を付けたいものです。夏は熱中症対策として、水分補給に関する注意喚起の声かけが指導者や保護者からも多くあります。汗もかくので、自分としても水分補給の意識が高まります。

一方で、秋から冬にかけては空気が乾燥する上に、建物の気密性の高さと暖房器具の使用頻度の影響で湿度が下がるものの、喉の乾きを感じにくく、汗をかいている実感もありません。その結果、気付かないうちに脱水状態を引き起こしていることが多いのです。

冬は選手たちの水分補給の意識が低下

冬の脱水の原因の1つに「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」が増えることがあります。不感蒸泄とは、皮膚や粘膜、呼気から無意識のうちに蒸発する汗以外の水分のことです。気温が低いことで大気中の水蒸気圧が減少(湿度が低くなる)すると、肺からの水分放出が増加するためです。

しかし、選手たちに学校へ持参する水筒の中身の量について聞くと、多くは以下のように答えます。

「夏は、午前中には水筒の中身がなくなって、午後はさらに飲水機の水を追加しています。でも寒くなった今は、帰宅するときに水筒の中身がまだ残っていることがほとんどです」

成長期のアスリートに対し、のどの渇きを感じなくてもこまめに水分を補給する必要性、自発的な行動変容を導くためには「はかる」で数値を示した上で、脱水状態が引き起こすデメリットや対処方法を伝えていくことが有効です。

「はかる」で数値を示して説明するのが有効

はかる
・体組成計で体水分量(率)をチェックする
 参考:自分で体の水分量をチェックする2つの方法、ケガ予防とパフォーマンス向上のために

デメリットを伝える
・風邪をひきやすくなる
 ウイルスは乾燥や低温が好きなため、乾燥や脱水で粘膜が薄くなることで体内に入りやすくなる。

対処方法
・意識して水分量を確保する
 お昼までに水筒の半分は飲む、休み時間にのどが渇いていなくても毎回飲む、などとルールを決めて実行する必要がある
・加湿を意識
 皮膚、のど、鼻の乾燥を防ぐために、部屋に加湿器を置く、濡れたバスタオルをかけておくなどがおすすめ(私は加湿器の掃除が面倒なので、バスタオル干す派です)。
・たっぷりの休養と保温
 体を冷やさないように、必要なエネルギー確保とバランスの良い食生活、質の高い睡眠と休養を意識しましょう。

アスリートのパフォーマンスアップのためにはまず、体調が良い状態である必要があります。栄養と水分でうるおいを与え、皮膚、粘膜を厚くし、ウイルスの侵入を防御し、感染症の流行や風邪をひきやすくなる「乾燥・低温」の季節を乗り越えていきましょう。

今回は、浜名湖の海苔の佃煮を使った「海苔とチーズのオムレツ」を紹介します。

浜名湖のある浜松市は、静岡県の西部に位置します。令和5年はNHK大河ドラマ「どうする家康」でも話題になりましたね。

浜名湖といえばウナギの養殖が有名ですが、「浜名湖のり」の養殖はウナギよりも古い歴史があります。浜名湖のりは、緑藻類のヒトエグサ属に分類され、特有の強い磯の香りと鮮やかな緑色が特徴です(※)。

海苔には、タンパク質や食物繊維のほか、貧血予防に一役買う葉酸やビタミンB12、アスリートに不可欠なビタミン、鉄やカルシウムなどのミネラルが多く含まれます。浜名湖のりが身近にない場合は、市販の海苔の佃煮をご活用ください(混ぜると少々色合いが悪くなるのが気になる方は、海苔の佃煮を「添える」という手もあります)。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・中野ヤスコ

※浜松市HPより引用(https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/miryoku/hakken/tokusan/hamanakonori.html