食事は毎日のことです。ジュニアアスリートを支えようとどんなに頑張っても、仕事や家族の用事でバランスのよい食事をそろえることができなかったり、準備できたとしても子どもが食べられなかったりすることがあります。これは、保護者の皆さんや子どもの意志が弱く、怠けているからではありません。毎日の生活の中では当然起こりうることなのです。

献立を考えたり、買い物をしたり、弁当を作ったりと皆さんと同じように、カラダも頭の中も毎日大忙しです。食の仕事をし、料理が得意な私でも、すべて手作りは難しいことです。夫や息子たちは食材を購入しておけば、動画サイトを見ながら食事の準備をしてくれるようになりましたが、息子たちが幼い頃は、同居していた義理の母の助けを借りながら乗り越えてきました。

しかも、身体はすぐには変わりません。気持ちが萎えることもあります。「子どもたちを応援したい」という気持ちがあっても、大変なことは長く続けられないので、ちょっと頑張ればできることを「スモールチェンジ」し、長く続けていくようにしましょう。

食のサポートを長く続けるための心得を4点お伝えします。

長く継続するための4つの心得

ポイント① 食行動を変えることは難しい

そもそも「食行動を変えることは難しいものである」と認めましょう。食行動を変えるには、食品、調理法、分量、栄養バランス、間食など多くのことに気をつける必要があります。一度身に付いた食生活や考え方を、成長してから改めるのは難しいのです。

ポイント② 一度の失敗であきらめない

①を理解した上で、一度の失敗であきらめないようにしましょう。一度改善した行動習慣が元に戻ってしまうことは「一時的であり、誰にでも生じる」ことです。「また、スタートしよう!」という気持ちで、再度やっていきましょう。

ポイント③ 完璧を目指さない

保護者ができることは、食事をしっかり用意するなど、規則正しい生活を送ることができるように整えることです。予定通りにできないことも多いので、完璧を目指さず、できることを継続していきましょう。例えば「急な仕事が入って、いつもの時間に帰宅できないから栄養バランスのよいメニューがそろっている総菜屋さんで買う」「今日の食事はしっかり用意できなかったけど、明日の食事でととのえればいい、続けることが大切だ」など、切り替えていきましょう。

ポイント④ 食べることは生きること

食事は、栄養素の摂取だけが目的ではありません。食文化やマナーなども知り、楽しくおいしく食べることも忘れないようにしましょう。保護者も上手に力を抜きながら、スポーツを通した食育で、一生涯の健康の自己管理ができる選手になるように支えていきましょう。

今回は「長ネギの中華風サラダ」を紹介します。食べにくい野菜もレンジで少し加熱するとかさが減るので、たっぷり摂ることができます。ゴマ油とポン酢しょうゆはとても相性が良いので、箸が進みます。

長ネギは今では年中食べられますが、本来は冬の野菜です。静岡県西部の白ネギは11~4月まで出荷されています。

長ネギには、ビタミン類、カルシウムなどのほかに、辛み成分「硫化アリル」が含まれています。硫化アリルは体内で分解されてアリシンとなり、アリシンは強力な殺菌効果と疲労回復を促すビタミンB1の吸収を促進させる効果があるため、体調管理にもおすすめです。

購入する際には、巻きが太くしっかりとしていて、白い部分と青い部分の色がはっきりしているものを選びましょう。白い部分が乾燥してパサついているもの、軟らかくなっているものは避けた方が無難です。使いかけのものはラップで小分けにし、冷蔵庫で保存しましょう。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・中野ヤスコ