私の拠点のある静岡県藤枝市は、春夏などの長期休みになると、静岡県内外から強化合宿や遠征のために多くのチームが滞在し、栄養管理に力を入れる指導者や保護者のいるチームから、食事提供や食事指導の依頼が多くなります。コロナ規制もなくなり、この2、3月は大学野球部、大学サッカー部など、3年ぶりにたくさんの選手を迎えました。静岡で開催される大会も多く、プロサッカーチームやラグビーチームのホームゲームの際には、選手から試合前の軽食や、独身の選手からは体調管理のための夕食の依頼も続いています。

地元のサッカースポーツ少年団や中学チームからは、小中学生と保護者向けの「食事をしながらの栄養セミナー」などの依頼が増えています。サッカーや野球、陸上だけでなく、最近では剣道の指導者も熱心です。幼い頃からの食習慣と意識の土台つくりが何よりも大切であると改めて感じる日々です。

保護者からのお悩み

さて、先日行われた地元のサッカースポーツ少年団での「スポーツ弁当付き栄養セミナー」で、保護者の方から次のようなお悩みを聞きました。

Q、食べ盛りの子どもたちと私たち両親、そして祖父母が一緒に暮らす3世代同居の家庭です。世代ごとに意識したい食事のポイントを教えてください。

3世代同居といっても、生活スタイルも違い、食べる時間もまちまちでしょう。食べる量も違いますが、どの世代でも共通して意識するポイントとして、次のように答えました。

タンパク源は2種以上が理想
いろいろな食材を取り入れる

さらに「カルシウムや鉄を意識」することも大切です。これらの栄養素は成長期のアスリートはもちろんのこと、支える私達、高齢者と家族みんなが元気に過ごすためには大事ですね。

その上で、各世代で意識すると良いことを挙げておきます。

部活などで運動量が多い「子ども世代」
・「運動で消費する分」と「成長に必要な分」が必要。
・身体作りに大切なタンパク質は複数を組み合わせてとる。

年齢とともに代謝が落ちる「親世代」
・主食のとりすぎに注意。
・タンパク質は脂肪の少ない部位を選ぶなど、種類を考える。

いつまでも元気に過ごしたい「祖父母世代」
・筋肉を維持するため、タンパク質をしっかりとる。
・いろいろな食材を少しずつとる。

今回は、「3世代が喜ぶ!米粉と豆乳の和グラタン」を紹介します。

☆焼き豆腐は、味がしみこみやすく崩れにくいので食べ応えバツグン!
☆野菜に含まれるカリウムは、体内の塩分の排出を促してくれます。
☆カボチャやアボカドには免疫力アップに不可欠なビタミンC・Eがたっぷりで、季節の変わり目で寒暖の差が激しい今の季節にぴったりです。

カボチャ、アボカド、ブロッコリーは冷凍野菜を使うとあっという間にできますよ。エネルギーも1人あたり347kcalと控えめです。食べる年代に合わせて分量は調整してくださいね。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・中野ヤスコ