少し前になりますが、7月に静岡・三島市で行われた「みしまジュニアスポーツアカデミー」で、オンライン公開イベントを行いました。三島市を拠点とする男子バレーボール、東レ・アローズのリベロ山口拓海選手(25)と一緒にスポーツ栄養学を学びながら、参加者も自宅で一緒に料理を作るという内容でした。

リモートで料理イベントに参加した山口選手(みしまジュニアスポーツアカデミー公開講座のYouTubeから)
リモートで料理イベントに参加した山口選手(みしまジュニアスポーツアカデミー公開講座のYouTubeから)

使った食材は、「三島馬鈴薯」という名の地元特産のジャガイモ(メークイン)。地元企業から参加者の自宅に配布されたジャガイモを使って、練習後で食欲がないときでも食べやすい「豚肉とジャガイモのバターしょうゆ炒め」と、前回のコラムで紹介した「シャキシャキ食感のジャガイモサラダ」の疲労回復メニューを作りました。

山口選手は手際良く調理をしていて、普段から自炊をしているのがよく分かりました。参加した子どもたちからの質問にもよく答えており、子どもたちも現役アスリートの食事内容がよく分かったことと思います。アンケートにも次のようなコメントが届きました。

・普段、ジャガイモは食べないけれど、今回の料理を作ってみておいしかったので、また作ってみようと思います。
・おいしくできました。山口選手が自炊して自分の体調を管理していてすごいと思った。

ビタミンC・糖質・食物繊維

そのイベントでも話したことですが、私はアスリートに対して、一般の人よりも多くの野菜や果物を食べるよう勧めています。①ビタミンCをとれる②糖質を手軽にとれる③食物繊維がとれるという3点が主な理由です。

オンラインイベントでジャガイモ料理の作り方を教える中野さん
オンラインイベントでジャガイモ料理の作り方を教える中野さん

アスリートは身体面と精神面の両方のストレスと戦っています。特に運動をすると酸素の消費量とともに活性酸素も増えます。活性酸素を除去するため、抗酸化ビタミンであるA・C・Eの必要量も増します。水溶性のビタミンCは体内で蓄積されず、排泄されてしまうので、常に摂りたいビタミンの1つなのです。

ビタミンCはアミノ酸の代謝にも関与します。コラーゲンの生成と保持にも関係し、ケガ予防にもなるため、アスリートにはしっかり摂って欲しい栄養素です。ジャガイモには、そのように多くの役目を持つビタミンCとエネルギー源となる糖質が多く含まれます。

さらに、野菜に多く含まれる食物繊維は腸の調子を整えてくれます。糖質の摂取や植物性の食品からの鉄の摂取時の吸収率を上げてくれるなど、たくさんの働きをしてくれます。

果物もエネルギー源となる糖質やビタミン、ミネラルの補給源にもなります。バナナは1食あたりのエネルギーが多く、補食としてアスリートにも人気です。糖質の量は、種類によって様々ですので、以下の図を参考にしてください。

フルーツの糖質量
フルーツの糖質量

キウイや生のパイナップル、パパイヤにはタンパク質分解酵素が含まれており、肉を柔らかくしてもくれます。

現在ではスーパーで季節問わず、手に入れられるものが増えましたが、旬を意識してとると安価で栄養価の高いものを手に入れられます。また、旬のものを意識して食べることで、その季節の体の課題に対応することができます。例えば、スイカやメロンなどには体を冷やす効果を持つものがあり、暑さには有効でしょう。

根菜は体を温めるものも多くあります。消化を助ける成分が含まれるものもあり、大根おろしやとろろ(ヤマイモ)は、試合前の食事や食欲のないときなどにお勧めです。コンディションを整えるためにも上手に活用したいですね。

野菜は、色の濃い野菜(緑黄色野菜)と薄い野菜(淡色野菜)の両方をとるようにしましょう。サラダだけでは薄い野菜に偏りがちです。緑黄色野菜は加熱しないと食べられないものが多いので、スープに入れるなど工夫してたっぷりとりましょう。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・中野ヤスコ