コロナ禍で、マスクを着用した「新しい生活様式」が日常になっています。マスクをすると顔の半分近くが隠れてしまうので、「ハッキリと話をしなければ」「どのようにしたら伝わりやすいか」などを考えて、話をすることが増えました。ただ、中学生をはじめとする子どもたちの場合は、違うようです。

中学校養護教諭の現場の声から

先日、私が住んでいる藤枝市の住民歯科会議に出席してきました。歯科医師、歯科衛生士のほか、学校、地域、施設など様々な分野の専門家が出席し、歯と口の健康について話し合う場です。

その中で中学校の養護教諭の方が、学校での昼食後の歯磨きが飛沫予防対策で実施されていないこと、マスクをつけての生活で口を動かさずにモゴモゴ話をする生徒が多くなったこと、表情が乏しいように感じるなどの現状を報告し、成長期の子どもたちの口腔ケアや顔の筋肉の低下についての課題を挙げていました。

高齢化による「オーラルフレイル(ささいな口の機能の衰え)対策」での口腔体操は目にするようになりましたが、若者たちにも口腔体操が必要になっているのかもしれません。ついつい柔らかいものや食べやすいものを食べてしまうことが多い現代、お口の周りの筋肉もしっかりと鍛えて、噛める力をつけていきたいものです。

噛む力で飛距離やシュート力に変化も

そこで、かわいらしい芽キャベツを使って、少し噛み応えのある炒め物「芽キャベツと季節の野菜の元気ソテー」はいかがでしょうか。しっかりと噛む習慣をつけて、顔の周りを筋トレして、噛む力をつけていきましょう。スポーツの現場でも食べること、噛むこと、嚙み合わせなどで、バッターの飛距離が変わる、サッカーのシュート力が強くなるなどと言われています。

静岡県は芽キャベツ収穫量日本一

静岡県は芽キャベツの収穫量が日本一です。芽キャベツは、特にビタミンCの量が多く、カリウムや鉄などのミネラル、食物繊維も豊富です。

芽キャベツをはじめとした、地元産の新鮮な野菜
芽キャベツをはじめとした、地元産の新鮮な野菜

少しあくがあるので下ゆでした方がいいでしょう(シチューなどの煮込み料理やスープなどに入れる場合はしなくても大丈夫です)。外側の皮を1~2枚むいて、下の部分が汚れていたら切り落として十字の切込みを入れ、たっぷりの湯で4分程度、ゆでます。

ゆでた芽キャベツをハンバーグやメンチカツの中に入れると、断面も楽しい1品に
ゆでた芽キャベツをハンバーグやメンチカツの中に入れると、断面も楽しい1品に

今回のレシピのようなソテーの他に、ハンバーグやメンチカツの中に入れたり、サラダやあえ物にもしたりしてもおいしくいただけます。量が多く余った場合は、ゆでた状態で冷凍保存するのがおすすめです。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・青島千恵