カラダは日々の積み重ねにより作られます。スポーツをする成長期のアスリートの食事は「主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品」をそろえるのが基本。しかし、選手も忙しいし、支える親も忙しく、最適なタイミングを選んで食べよう、作ろうとすると、お金も時間も工夫も必要になります。

すべては子どもたちを支えるため、と言うものの、お皿の数を増やすことが目的ではありませんし、すべて手作りにする必要もありません。日々の練習に耐えうる心と体を養うための食事が整えば、いいのです。

そこで今回は、毎日の食事作りにおける肉体的、精神的な負担がぐっと軽くなる「お悩み解決4点」を紹介します。上手に“手抜き”をして、細く長く継続していきましょう。

解決1=栄養バランスが整ったメニューを考えるのが大変

(1)「給食の献立表」を参考にしましょう。学校給食は、主食、主菜、副菜がバランスよく作られています。その年代に合わせて1日に必要なエネルギー、栄養素のうちの1/3の量を確保できるように、学校栄養士が献立を立てています。

(2)献立を決めるときは、まずメインディッシュである「主菜の素材」を考えましょう。例えば、肉→魚→肉→魚と順番にし、プラス大豆か卵を入れる、と考えます。また最近は、メニューサイトや献立アプリも充実したものが多いので、ぜひ活用しましょう。もちろん、アスレシピにも目的に沿った多くのレシピが掲載されています。

(3)「メニューの固定化」もおすすめです。朝食は、「ご飯、みそ汁、目玉焼き、ヨーグルト」といったように主食・主菜・副菜のパターンを1~2個決めておくと良いでしょう。夕食は、平日5日間の献立を3、4週分作っておきます。合わせて買い物リストも作ると便利です。「レパートリーが少ない」と悩む方もいますが、平日はパターン化し、土日や余裕がある日に調整しようと考えましょう。また、急な予定変更も臨機応変に対応していきましょう。

解決2=おかずをいろいろ作るのが大変

鍋料理、肉が多めの野菜炒め、根菜もタンパク源もとれる煮物など、「1品で主菜と副菜が一緒になるメニュー」を作るといいですね。最近では、1、2品の食材があれば立派な一品ができる「合わせ調味料」もたくさん販売されているので、上手に利用しましょう。

解決3=洗い物が大変

調理は、「フライパンや鍋1種類で作る」と決めましょう。またレンジ調理をして、そのまま食べられる大きめの耐熱容器があるといいですね。盛り付けもワンプレートや丼など1つの皿に盛り付けるようにすると、洗い物を減らせます。

解決4=買い物が大変

ネットスーパーや、献立の必要な材料を宅配してくれる「宅配サービス」がおすすめです。私は、牛乳や卵、冷凍の肉や魚、野菜類は、宅配サービスの定期便を活用しています。日用品も多く取り扱っているので便利です。

現在は色々なお役立ちツールやサービスがあるので、それらを利用するのもお悩み解決につながります。

今回は、「ケールと豚肉のガーリックソテー」を紹介します。

青汁の材料として知られているケールは、キャベツやブロッコリーの原種でアブラナ科。品種にもよりますが、ビタミンCはキャベツの約2倍、カルシウムは約5倍、βカロテンは約59倍も含まれる緑黄色野菜です。ビタミンC、E、Kなどが豊富なのに加え、カリウム、カルシウムなどのミネラルも多く含んでいます。

苦いイメージがあるかもしれませんが、品種によっては苦味も改良されており、キャベツのような甘みまではありませんが、特に今の寒い時期は糖度が上がってとてもおいしく食べられますよ。

農場で元気に育つケール
農場で元気に育つケール

私は、静岡県藤枝市を拠点に管理栄養士として、スポーツ選手はもちろん、地域の方々への食サポートを行う事業を行っています。10年以上前から、静岡県の6次産業化サポートセンターの専門家としての仕事も多く担っており、1次産業を行う方々が、商品開発や、農家レストランやカフェ等、2次、3次産業へとチャレンジする際に、管理栄養士として、また飲食店「くるみキッチンプラス」を経営する一事業者として、運営全般などの助言やアドバイス、新規試作や機能性のある農作物の開発などの支援をしています。

ケールの葉は大人の顔が隠れてしまうほどの大きさ
ケールの葉は大人の顔が隠れてしまうほどの大きさ

そんな中で先日、ケールの農場を見に行ってきた時に思いついたメニューです。ケールの葉はキャベツのように結球(葉を丸めること)をせず、大きな葉を花びらのように広げて育ちます。大人の顔が隠れてしまうほどの大きさ(約50cm)にまで力強く成長するケールから、栄養をたっぷりいただきましょう。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・中野ヤスコ