静岡は例年よりも早く、5月16日に梅雨入りしました。お茶どころ静岡では、5月はまだお茶摘みのシーズンです。雨の中、山の斜面での作業は大変だろうと心配になります。

ちょうどその頃、収穫できるおいしいものといえば、新ジャガイモです。先日、朝掘ったばかりだという新鮮な新ジャガをたくさんいただきました。

今が旬の新ジャガをシンプルにおいしく

ジャガイモは、エネルギー補給になる糖質を多く含むのはもちろんですが、ビタミン類、ミネラル類も豊富です。特に新ジャガにはビタミンCが多く含まれています。また、水分が多いため、みずみずしくおいしくいただけます。ただ、通常のジャガイモに比べて傷みやすいので、長期間の保存をするには注意が必要です。

シンプルな料理でおいしく食べられる新ジャガイモ
シンプルな料理でおいしく食べられる新ジャガイモ

新ジャガは素材を生かしたシンプルな料理がよく合います。最も簡単なのは、電子レンジで加熱をして、塩やバターをつけて食べるもの。ジャガバター、フライドポテト、粉ふきイモもおいしいですね。

今回紹介するのは、新ジャガの良さを生かした「新ジャガのおひさまピザ」。薄切りにしたジャガイモを焼き、その上にオクラやピーマン、トマトなどの野菜とチーズを乗せるだけ。成長期の選手のおやつや練習前の補食にぴったりです。

野菜は、アスパラガスやスナップエンドウなどでもいいですね。牛乳を添えて、より一層、タンパク質とカルシウムをプラスすれば、パワーアップ間違いなしです。

成長期の終わりが見えたら体脂肪量を意識

さて、成長期の選手の体は日に日に変わっていきます。例えば、これまでぐんぐん成長していたため、体組成をそれほど気にせず、とにかくエネルギー不足にならないように食べるようアドバイスしていた選手も、成長期の終わりが見えてきた段階で、体脂肪を増やさないように気をつけていかないといけません。

先日、そんな話をある選手にしたところ、早速、家庭用体組成計を購入し、毎朝計測するようになったそうです。すると、「BMIって何ですか?」「LBMと何が違うんですか?」「自分はいくつぐらいが良いのですか?」と疑問が沸いたようで、私に質問をぶつけてきました。

BMIは身長と体重から計算する指数

BMIは身長と体重から計算をした体格指数(Body Math Index)で、体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められます。身長と体重で計算する指数ですので、体の中身が違っても身長と体重が同じなら同じ数値が出てきます。つまり、脂肪が多くても筋肉が多くても、仮に、体全部が脂肪であっても、身長と体重が同じならBMIは同じ数値になるのです。

これだと、筋肉量の多いアスリートには参考になりません。従って、選手たちには体重から脂肪を除いたLBM、除脂肪体重(Lean body mass)を指標とするよう伝えています。除脂肪体重には筋肉のほか骨や内臓、血液といったエネルギーを消費する器官が含まれます。

LBMは体重(kg)-体脂肪量(kg)で求められます。体脂肪量は体重(kg)×体脂肪率(%)で計算できるので、LBMが表示されない体組成計でも体脂肪率が出るものは多いので、計算できますね。

特に成長期の女性アスリートは、栄養面が適切かどうかを判断するためにもLBMで体の中を確認することが大切です。数値に一喜一憂するのではなく、その変動を見ていきましょう。

ちょっとしたアドバイスから率先して取り組み、興味をもって質問をしてくる。選手が前向きに体作りをしていこうという意識、成長が見られてとてもうれしく思いました。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・青島千恵