体は生きることを優先

先日、新体操をしている高校生のお母さんから、「冷え性、抜け毛がひどい。ショウガスープを飲ませ、冷え性にいいとされるグッズや頭皮マッサージなど、やれることはすべてやっているのに全く効果がない」と相談を受けました。食事は少なめであっても、足りなくはないと考えているようでした。

この状況は、まさに「栄養失調」です。人間は、生きているだけで1日1000kcalほど使っており(基礎代謝量)、選手であれば、毎日、長時間練習をしています。

冷え性なのはエネルギーを使わないため、抜け毛がひどいのは、髪に栄養をもっていかれないため。これらは、体が生きることを優先しているからだと伝えると、「目からうろこ」だったようで、すぐに納得してくれました。

食事も「トレ―ニング」。真面目な選手ほど、オーバートレーニングになる傾向があるため、食以外の気分転換を促したり、励ましたりして心を緩めていきましょう。

今回は、女子に人気の「大豆ミートの酢豚風」を紹介します。大豆ミートはソイミート、「畑のお肉」とも言われ、大豆の油分を搾り、加熱加圧・高温乾燥させて作られた非常にヘルシーな食材です。私の経営する飲食店「くるみキッチンプラス」では、2011年の開業当時から人気商品のひとつ。乾物なので、常温で長期保存ができ、大豆の食感が苦手、大豆があまり好きではない方も違和感なく食べられます。

コツは高温で短時間で揚げるか焼くこと。肉のように中まで火を通す必要はないので、じっくり揚げると水分が蒸発し、かたくパサつくため、おいしさが半減します。おいしく大豆を食べましょう。

静岡スポーツ栄養研究会/管理栄養士・中野ヤスコ