今回からコラムを担当する管理栄養士の古池(こいけ)久美子です。普段は大学の施設で学生から高齢者まで多世代の栄養管理を行っています。主に少年野球や女子野球チーム、中学野球部や高校野球部の栄養サポートや栄養セミナーを開催し、選手とその保護者の皆さんを応援しています。

 忙しい毎日の中で、スポーツをする子どもたちの食事について悩んでいる保護者の方に“気負わず気軽に継続的に”をコンセプトにレシピのご提案をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

熱中症の死亡事故、野球が最多

 間もなく7月。ますます暑くなってきます。日本スポーツ振興センターのデータによると、学校管理下におけるスポーツの部活動で、熱中症による死亡事故が最も多かったのは野球です(下図参照)。

 屋外スポーツであることが、その要因の1つです。

 しかし、屋外で運動する選手にとって、熱中症は避けられないものではありません。本格的な暑さになる前、今から体を暑さに慣れさせることで、予防対策になります。

 熱中症は運動や外気温によって体温が上がり、その熱を体外に放出できないため、さまざまな症状が生じるもの。重症の場合は命の危険もあります。運動前、運動中、運動後のこまめな水分補給はもちろん、日々の食事で、上手に汗をかいて体内の熱を外に出しやすい体づくりをし、徐々に暑さに慣れていくのが大切です。

水分とミネラル補給

 食事のポイントの1つは、汗の材料となる水分とミネラルの補給。汗は血液や細胞間質液から作られます。99%は水ですが、カルシウム・マグネシウム・鉄などのミネラル分も含まれているため、それらが汗と一緒に流れ出てしまいます。

 そこで、おすすめなのが「朝スープ」。朝食に、「+ワンカップ」の汁物を加えた食事をすることで、汗で失われる塩分やミネラル分、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB1などが手軽に摂れます。ビタミンB1は水溶性ビタミンのため、汁物やスープにすると汁ごと、無駄なく摂ることができます。

乳製品で暑さに慣れる

 ポイント2つめは乳製品。近年の研究報告では、乳製品に含まれる乳タンパクによって血液中のアルブミンが増量し、循環血液量が増量するといわれています。発汗量も増えるため、効果的に暑さに慣れるという報告があります。

 また、乳製品はタンパク質を豊富に含んでいます。朝食にタンパク質を摂ると自律神経が刺激され、体温が上昇し、体内の細胞が目覚めるのです。

包丁を使わず作れる「ミルクスープ」は朝に重宝する一品

 今回紹介するレシピは「ミルクスープ」です。忙しい朝、包丁を使わず簡単に作ることができます。ぜひ朝食に乳製品を取り入れて、暑さに負けない体を作りましょう。

管理栄養士・古池久美子