日本には、独特の食材の単位や数え方があります。魚の場合、生きている状態なのか商品や食材なのか、形状や性質に応じて数え方が変わり、意外に細かく分かれています。料理のレシピをより理解するためにも確認しておきましょう。

<主に魚>

匹(ひき)…一般的に魚を数えるときに使う。生きている活魚でも水揚げされた鮮魚でも、頭から尾まで丸ごとの魚の場合使用。ただし、食材の数え方としてはあまり使用されない。

尾(び)…食材とした丸ごとの魚、尾ひれがついたもの。

本(ほん)…尾でもあるが、ブリ、サンマ、カツオ、マグロなど見た目が比較的細長い魚は「本」が使われる。

枚(まい)…尾でもあるが、ヒラメやカレイなど形が平たい魚は「枚」が使われる。また、アジなども開いて干物になると「枚」が使われる。「三枚おろし」「二枚おろし」のように、おろした魚も「枚」で数えられる。

連(れん)…同じ干物でも、目刺しのように開かずに丸干しするも。

丁(ちょう)…マグロなど大きな魚を解体し、頭と背骨を落としてさばいた半身のこと。

塊(ころ)…丁を切り分け、ブロック状のひとかたまりになったものを。

柵(さく)…塊を短冊状(長方形)にさばいたもの。刺身用として使われることが多い。

切れ(きれ)…魚の切り身や一口大に切られた薄い肉の切り身。

串(くし)…ウナギなど串に刺して調理されるもの、串焼きの単位。

杯(はい)…食材としてタコやイカなどを数えるとき。

腹(はら)…サケやタラなど魚の卵の塊(たらこ、明太子など)で、2本つながっている状態のこと。1本の場合は片腹となる。中身の粒子は「粒」。

<スーパーなどでの使い方の具体例>

マグロが生きた状態から私たちの口に入るまで、次のように呼び方が変わります。生きて泳いでいるときは1匹、漁獲されると1本(1尾)となり、解体されて1丁、1節を経て1塊、1冊となり、最後に1切れとなります。

スーパーなどで並んでいる魚は、形状を見て呼び方を考えてみましょう。

=丸ごと(サンマの塩焼きなど)
=おろした魚(干物 蒲焼、フライ)
切れ=切り身、一口サイズ(煮付け、刺身)
=短冊状の塊(刺身)
=丸干しの干物(焼き物、南蛮漬け)

<その他の数え方>

・帖(じょう)…海苔(10枚で1帖)
・膳(ぜん)…ご飯が盛られている茶碗、お箸
・丁(ちょう)…豆腐
・粒(つぶ)…豆類や穀類、魚卵のほか、ブドウの粒やイチゴなどやや小さな球形の果物
・枚(まい)…油揚げや春巻きの皮などの薄いものや、豚などの薄切り肉、おろした魚、鶏のもも肉、むね肉、ささみなど
・合(ごう)…日本酒や米の単位で、1合は180ml
・升(しょう)…10合=1升=1.8ℓ
・斗(と)…10升=1斗=18ℓ

【アスレシピ編集部】