<栄養素を無駄なく摂る食べ方:豆類編>

黒大豆は大豆の一種で、おせち料理の黒豆としてよく知られています。加工品は大豆(黄大豆)がほとんどですが、納豆や豆腐などには黒大豆で作られたものもあります。

大きさや形、色が揃っているものを選びましょう。煮る前に一晩(6~8時間)水につけ、戻してから調理します。新しいものほど早くやわらかくなります。

チャレンジおせち「黒豆」
チャレンジおせち「黒豆」

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
黒大豆は黄大豆と同様にタンパク質、脂質、ビタミンB群、ビタミンK、ミネラル、食物繊維や多くの有効成分を含みます。

種皮の黒色は黒大豆ポリフェノールによるものです。強い抗酸化作用があり、老化防止、血流改善、血圧の正常化、高血糖の抑制などさまざまな効果があります。メタボリックシンドロームを予防、改善するという臨床報告もあります。

黒大豆ポリフェノールは吸収性が高く、ヒトが摂取して1時間で血中脂質の酸化を抑えることが明らかになっています。ポリフェノールは水溶性のため、アクは取りすぎないようにしましょう。

民間療法では、のどが痛い時や咳が出る時は黒大豆の煮汁を飲みます。生薬名を「黒豆衣(こくずい)」と言い、咳止め、声がれ、消化不良や二日酔い、美肌に効果があり、冷え性、喘息の妙薬としても知られ、「百薬の毒を解く」と言われています。腎臓が弱った人や、腰や膝が衰えた人にも使われます。

期待される健康効果は、風邪予防、ガン予防、生活習慣病予防、更年期障害の症状軽減、血行促進、貧血予防、疲労回復、便秘改善、美肌、骨粗しょう症予防、認知症予防、アンチエイジングなどです。

保存するなら
乾燥豆は、開封前は冷暗所で、開封後は空気に触れないように密封し、野菜室で保存します。

煮豆は煮汁ごと冷蔵すると、1週間ほどの保存が可能です。すぐに使わない場合は冷凍保存しましょう。水けをきって保存袋に入れ、カチカチに凍る前にほぐしておくと使いやすいです。

【管理栄養士・高木小雪】