最後の大会が終了し、スポーツにひと区切りをつけたアスリートもいるでしょう。あれほど毎日練習に励んでいたのに、急に運動をしなくなることで生活のペースを崩し、食生活が乱れて激太りしてしまうアスリートもいるようです。

次のステージでもさっそうと活動するために、体調管理はしておきたいもの。競技引退後の食事についてアドバイスを送ります。

体脂肪率を上げない

これまでは、運動で消費していた分のエネルギー量を摂っていたと思いますが、運動をしなくなった分を減らさないと、筋肉ではなく脂肪として蓄積し、体重増加につながります。成長期なら体重は増えても良いのですが、体脂肪が増えないように、体組成が測れる体重計で管理すると良いでしょう。

基本の食事は継続、量や回数を減らす

運動前後の短い時間や寝る前のちょっとした時間に食事をとっていた人は、早食い傾向があります。食べるスピードは習慣化されてしまうと簡単には変えられません。その結果、運動をしていた頃と同じスピードで同じくらいの量を食べてしまいがちです。大皿から直接食べるのではなく、あらかじめ自分が食べる分を小皿や茶碗に盛り付けて、その分だけを食べるようにしましょう。

補食の内容と量を変える

補食(間食)は足りないエネルギーを補うためのもの。成長期であれば必要ですが、成長期が過ぎて運動をしなくなれば、補食は必要ありません。補食を食べる習慣のある人は内容を見直しましょう。市販の菓子は糖質と脂質が多いものがほとんどです。1回に食べる量を決めて必要以上に食べないようにするか、1回の食事で食べていた乳製品や果物を補食に回して全体量を調整することをおすすめします。

日常生活でのエネルギー消費を増やす

せっかくつけた筋力も使わなければ低下してしまいます。しかし、これまでと同程度の運動をする必要はなく、短時間で回数を行うことができる筋肉運動(スクワット、階段の昇り降りなど)やエネルギー消費のための散歩など、日常生活でできることを取り入れましょう。

リラックスできる方法を見つける

運動に費やしていた時間を、次に打ち込めるものに費やすなら別ですが、時間が余ると生活リズムが崩れがちです。体が疲れていないと夜寝つきが悪くなる人もいるので、リラックスして眠れる環境を整えましょう。運動は、セロトニンを増やすなど精神的にも良い効果をもたらしますが、運動をしなくなってストレス発散の場が減ってしまう人もいます。これを機に、自分なりのリラックス方法を見つけられると良いですね。

【管理栄養士・今井久美】