<栄養素を無駄なく摂る食べ方:豆類編>

小豆はアジアの広範囲で古くから栽培されており、日本では縄文時代の遺跡からも発見されています。小豆の赤色に魔除けの力があるとされ、儀式にも使われてきました。

流通している小豆はほとんど種皮が赤色ですが、白、緑、茶、灰色、黒、斑紋、白地赤斑などもあります。赤飯などに使われるささげとはへその部分で見分けることができ、直線状のものが小豆、楕円形で少しくぼみ、黒い縁取りがあるのがささげです。

小豆は煮ると種皮が破れて崩れ、あんにしやすい特徴があります。種皮が破れることを腹切れと言いますが、大粒で腹切れしにくい品種群は「大納言」と呼ばれ、区別されています。切腹の習慣がない公卿の官位名から名づけられたと言う説があります。

写真左が小豆、右は大納言
写真左が小豆、右は大納言

あんは、小豆をつぶさないように煮たものを「つぶあん」、粒をつぶして煮上げたものを「つぶしあん」、煮た小豆を裏ごしして種皮を取り除き、練り上げたものを「こしあん」、大納言などの大粒の小豆を蜜で煮てこしあんに混ぜたものを「小倉あん」と呼びます。

色が濃くツヤがあり、粒が揃っているものを選びましょう。ヘソは白い方が新しく、古くなるにつれて茶色っぽくなっていきます。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
小豆の主成分は炭水化物で、タンパク質、ビタミンB1、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、食物繊維などが多く含まれています。特に食物繊維はゴボウの約2倍あり、腸内環境の改善に役立ちます。

種皮の色素成分はアントシアニンで、ポリフェノールの一種です。水溶性で煮汁に溶け出すため、種皮を取り除かず、煮汁ごと食べると無駄なく摂取できます。小豆がゆは理に適った食べ方です。アクは取り過ぎないようにしましょう。

小豆がゆ
小豆がゆ

小豆にはサポニンも含まれています。サポニンはマメ科の植物などに多く含まれる渋味や苦味成分で、抗酸化作用があり、水に溶けるとよく泡立ちます。脂質の過酸化抑制作用、血中コレステロール適正化作用が認められ、免疫力向上も期待される成分です。

水溶性のビタミン類は調理損失が大きいため、あんにするとほとんど失われてしまいますが、こしあんよりつぶあんやつぶしあんの方がポリフェノール、食物繊維ともに多く摂取できます。一方ミネラルはこしあんの方に多く含まれています。

生薬としても「赤小豆(せきしょうず)」と呼ばれ、解毒、排膿、利尿の目的で使われています。

期待される健康効果は、疲労回復、整腸作用、風邪予防、ガン予防、生活習慣病予防、貧血予防、むくみ改善、骨粗鬆症予防、デトックス効果などです。

保存するなら
密封して冷暗所で保存します。長期保存が可能ですが、古くなると種皮がかたくなり、煮るのに時間がかかります。おいしくいただくためには半年くらいのうちに使用した方が良いでしょう。

ゆでたものは水けをきり、保存用袋に入れて冷凍しておくと1カ月ほど持ちます。

【管理栄養士・高木小雪】