<栄養素を無駄なく摂る食べ方:果物編>

プルーンはコーカサス地方原産と言われるバラ科の果実で、スモモの仲間です。スモモには多くの種類があり、「プラム」と呼ばれる日本スモモと、「プルーン」と呼ばれる西洋スモモに分けられます。

果皮の白い粉(ブルーム)は新鮮さの証
果皮の白い粉(ブルーム)は新鮮さの証

プルーンはドライフルーツで食べられることが多いですが、生食用とは品種が異なります。日本で栽培されているプルーンはほとんどが生食用です。

熟すと果皮の色が濃くなり、果実に弾力が出ます。未熟なものはえぐみがあり、酸味が強いです。皮にシワがあるものは酸味が抜けて甘いと言われますが、日持ちはしません。

果皮に白い粉(ブルーム)が付いているものが新鮮です。ブルームには水分の蒸発を防ぐなどの働きがあります。軸が付いている場合は、緑色のものを選びましょう。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
プルーンは、葉酸、カリウム、食物繊維などを多く含みます。プルーンといえば鉄が多いイメージがありますが、実際は100gあたり生は0.2mg、ドライは1mgと多くありません。食物繊維は完熟するにつれ、水溶性食物繊維が増えます。

抗酸化力が強いネオクロロゲン酸、ポリフェノールのアントシアンも含みます。抗酸化物質は果皮や果皮の周辺に多いので、皮ごと食べた方が無駄なく摂取できます。

ドライは栄養素が凝縮されている分、エネルギーも高くなります。食べ過ぎには注意しましょう。豊富な食物繊維などにより、お腹がゆるくなることもあります。ドライプルーンを煮物やソースに加えるとコクが出ます。

プルーンをソースにした「鶏もも肉のプルーンソテー 柿とチーズのサラダ添え」
プルーンをソースにした「鶏もも肉のプルーンソテー 柿とチーズのサラダ添え」

種子や未熟な果実にはアミグダリンという青酸配糖体が含まれています。この成分は分解されると青酸(シアン化水素)となり有害です。すぐに健康被害が出るほどの量ではありませんが、未熟な果実や種子を砕いて食べることはやめましょう。

期待される健康効果は、疲労回復、風邪予防、ガン予防、便秘予防、生活習慣病予防、アンチエイジングなどです。

保存するなら
かたいものは直射日光の当たらない、あまり乾燥していない場所で追熟させましょう。熟したものは新聞紙などに包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。

冷凍する場合は洗って種を取り、水けをとってから保存袋に入れて冷凍します。半解凍でそのまま食べたり、料理に使ったりします。

ジャムにも向いています。

【管理栄養士・高木小雪】