TIBC(総鉄結合能)

血液中のTfが結合できる鉄の量を表したもので、貧血の原因が鉄不足かどうかを調べる数値です。鉄が不足した状態ではTIBCは高くなるので、鉄の摂取を増やす必要があります。ちなみに、鉄と結合していないTfを鉄の結合能力に換算したものを不飽和鉄結合能(UIBC)と呼び、UIBCとFeの和がTIBCになります。

網赤血球

赤血球になる前の未熟な赤血球で、骨髄で赤血球を作る造血機能の指標です。低い場合、骨髄の機能低下による再生不良性貧血が疑われます。鉄剤を使用すると上がるため、貧血の改善状況をみる指標にもなります。

ハプトグロビン

ヘモグロビンと特異的に結合するタンパク質です。溶血(赤血球が壊れること)により血液中のヘモグロビンが増加すると、ヘモグロビンと結合するため減少します。スポーツ貧血など溶血性貧血の指標ですが、検査結果が出るまでに時間がかかることや、検査費用が高いため、スポーツ貧血の検査にはあまり使われません。

LDH(乳酸脱水素酵素)

細胞内で糖がエネルギーに変わる時に働く酵素で、ほとんどの組織や臓器に含まれています。LDHが含まれる臓器が障害を受ける(破壊される)と細胞外に出てくるため、数値が上昇。例えば、肝炎や胆石、心筋梗塞の時に上昇します。血球にも含まれており、溶血の場合も上昇するため、スポーツ貧血の指標として使われることがあります。

このように、血液の状態を見る指標も様々です。血液検査を受けたなら、結果をよく見て原因を知ることが、貧血克服には重要です。

【管理栄養士・今井久美】