<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

シソはシソ科の1年草で、原産はヒマラヤから中国にかけてと言われています。本来シソというと赤ジソを指し、青ジソは赤ジソの変種になります。日本各地の縄文遺跡から種実が出土していることから、日本でも古くから自生していたようです。

赤ジソは「蘇葉(そよう)」という生薬です。後漢時代に食中毒で死にかけていた人に、シソの葉を煎じた紫の薬を飲ませたところ蘇ったという逸話から「紫蘇(シソ)」と名付けられたと言われています。

青ジソは「大葉」という名で流通していますが、市場に出荷する際、穂ジソなどと区別するために葉の部分を大葉という名称にしたところ、これが通称となりました。

発芽間もない赤ジソは紫芽(むらめ)、青ジソは青芽(あおめ)、つぼみの一部が開花したものを花穂ジソ、花が終わり未熟な実をつけたものを穂ジソと呼びます。いずれも刺身のあしらいなどに用いられます。

青ジソは色が濃く、葉先までみずみずしいものを選びましょう。鮮度が落ちてくると葉に黒い斑点が現れます。大きくなりすぎたものは香りが薄い傾向にあります。

赤ジソは梅干し漬けなどに使用する場合、ちりめんジソを使います。葉先まで細かく縮れて色が濃く、しなびていないものを選びましょう。

花穂ジソはすぐに花が咲いてしまいますので、つぼみの多いものを選びます。穂ジソは実が密集し、粒がふっくらしているものが良品です。

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