主な栄養素と無駄なく摂るコツ
グルコマンナンという水溶性食物繊維が豊富で、1枚(約300g)で21kcalと低エネルギーです。豊富な食物繊維により、便秘を解消し腸を掃除してくれる「腸の砂おろし」といわれていました。

ほとんどが水分で、タンパク質、脂質、糖類が少なくエネルギーにはなりませんが、カルシウムが豊富で、鉄や銅といったアスリートに必要なミネラルも含まれています。

減量期や便秘の時には積極的に摂りたい食材ですが、胃腸の調子が悪く、消化吸収力が低下しているときは食べるのを避けた方が良いでしょう。

市販品はアク抜き不要のものが多くなっていますが、必要な場合は、切ってから塩もみし、ゆでます。アク抜きが不要でも、水分が多く味がしみ込みにくいため、板状のまま砂糖や食塩をふって麺棒などでたたく、から炒りする、電子レンジ(600W)で100gあたり約1分加熱する、140~150℃に熱した油で素揚げするなど、下処理することでおいしく調理できます。

田楽、白あえ、筑前煮、鍋物、おでん、豚汁、炒り煮などによく使われますが、糸コンニャクは形状を生かし、春雨の代わりにサラダや和え物、チャプチェに使ったり、きんぴらの具材、パスタや焼きそばなど麺類のかさ増しに入れてもよいでしょう。

保存するなら
アルカリ水に浸かった状態で売られているため、袋のまま冷蔵庫に入れておけば、腐敗しにくく長期間保存できます。

封を開けた場合は、封入されていた水を捨てずに一緒に容器に入れると日持ちしますが、捨ててしまった場合は水道水に同じように浸け、水を変えながら1週間ほどで食べきりましょう。

冷凍するとスポンジ状になってしまうため冷凍には向いていませんが、あえてこの食感の変化を生かし、冷凍コンニャクを解凍後、唐揚げやステーキ肉の代わりに使うこともできます。

【管理栄養士・今井久美】