<おにぎり今昔物語(8)>

正しい食の知識を習得し、健康的な生活を目指そうとする「食育」。日本人の大好きなお米には、そんな「食育」のヒントが詰まっているんです。

最近では軟らかい食べ物が増えていて、意識的に「かむ」ことがますます大切になっています。お米はかむことで甘みが増すので、意識的に「かむ」ことを楽しめる食材です。

なぜかむと甘くなるのかというと、お米のでんぷんが唾液に含まれる消化酵素に反応して麦芽糖に分解されるから。かめばかむほど、甘みが楽しめるというわけです。また、よく「かむ」ことは味覚や脳の発達、胃腸の働きの促進、肥満の予防などの効果があり、満腹感も得られます。

お米といえば炭水化物の代表格であり、ダイエット中の人は敵視しているかもしれません。炭水化物は「糖質」と「食物繊維」から成り立っていて、この「糖質」が太る原因だと考えられているためです。でもちょっと待ってください! 糖質は、不足すると思考力や筋力の低下を招き、疲れやすくなったり、終始だるさを感じたりします。

体重制限のあるスポーツや、試合前に減量の必要がある場合には、炭水化物を摂らないこともあるようですが、最近の研究では、糖質に含まれるでんぷんには食物繊維の働きを助け、整腸作用を高める効果があり、特にお米はその働きが強いことが分かっています。つまり、お米を摂取したほうが、むしろ健康的に体重を落とすことができる一面もあるのです。

そんな良いことずくめなお米をおいしくいただくには、やっぱりおにぎりがオススメ。おにぎりは誰でも簡単に作れる日常的な料理です。ぜひ、お子さんと一緒におにぎりを作ることで、毎日の「食育」に取り組んでみてくださいね。

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