<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

レンコンは秋から冬が旬で、12月に最も多く出回ります。穴があることで「見通しがきく」とされ、お正月やお祝いの席で使われることが多い食材です。

漢字では「蓮根」と書きますが、根ではなく、地下茎という茎が膨らんだもので、3節に育った頃出荷されます。市販品は1節づつカットされているものが大半ですが、部位によって食感が異なります。最初にできた太くて長い1節目はでんぷんが多く、加熱するとホクホクした食感。先にいくほどでんぷんが少なくなり、芽のついた3節目はシャキシャキした食感です。部位によって使い分けるのも良いですね。

丸みがあって太く、皮にツヤがあり、穴が小さく肉厚なものが良品です。不自然に白いものは漂白されています。切り口が変色したり、穴の内側が黒ずんでいるものは、鮮度が落ちているため避けましょう。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
ビタミンB1、B12、C、カリウム、食物繊維が豊富で、アスリートに必要な鉄も含んでいます。特にビタミンCは野菜の中でも多く、果物のかんきつ類と同程度です。レンコンのビタミンCはジャガイモなどと同様にでんぷんに守られているため、加熱しても壊れにくいのが特徴です。

でんぷんが多いためエネルギーは高めですが、糖質をエネルギーに変えるビタミンB1も含むため、素早くエネルギーとして使われます。サトイモや長イモにも含まれるぬめり成分が、胃腸の粘膜を保護します。

切り口が変色するのは、ポリフェノールの一種のタンニンによるもの。タンニンは抗酸化作用があり有用ですが、変色を防ぎたい場合は切ってから酢水にさらすとよいでしょう。

炒め物、天ぷら、きんぴらなどの油を使った料理、さっとゆでてピクルスやマリネなど、さまざまな料理に使えますが、シャキシャキの食感を生かすためには加熱のし過ぎに注意しましょう。マヨネーズとの相性も良く、サラダにも向いています。すりおろしたものは、卵や小麦粉の代わりにハンバーグやお好み焼きのつなぎになります。しっかり加熱するとほくほくした食感になり、筑前煮などの煮物にしてもおいしく食べられます。

保存するなら
切り口をラップで覆い、冷蔵庫で4~5日保存できます。冷凍する場合は、カットして固めにゆでてから。使用する時は凍ったまま調理します。

きんぴらなどは調理してから冷凍し、そのままお弁当に入れることも可能です。

【管理栄養士・今井久美】