<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

サトイモは、東南アジアで多く食べられているタロイモの仲間で、山地で自生するヤマイモに対し、里で栽培されていたことからサトイモと呼ばれるようになりました。

日本で流通する品種の中で、最も多く出回るのが「土垂(どだれ)」。旬は8~12月ですが、10~11月頃のものがおいしいと言われています。種類によって旬の時期が異なり、お正月に使われる「八ツ頭」は12~1月です。

泥付きで、皮に適度に湿り気があるものが新鮮です。丸くふっくらしていて重みがあり、硬いものを選びましょう。赤い斑点や筋が入っているものがありますが、成分はアントシアニンなので食べても問題はありません。しかし、鮮度が落ちて固くなっているため、取り除いた方がおいしく食べられます。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
イモ類の中でもカリウムが1番多く、食物繊維が豊富です。ぬめりの成分はガラクタンなどの水溶性食物繊維で、整腸作用だけでなく、コレステロールを排出する働きもあります。カリウムとの相乗効果で動脈硬化を防ぐと言われ、胃腸の粘膜を守る働きもあります。

炭水化物が多く脂質が少ないため消化がよく、食欲が低下しがちな試合前などにおすすめ。胃腸の調子がよくない時にも向いています。

皮は、泥が付いて土臭くならないように十分に洗い、水けをしっかりふき取ってからむきましょう。ぬめりでむきにくい場合は、皮つきのまま5~10分くらいゆでるか、電子レンジで5分ほど加熱するとスルっとむけます。

ゆでる場合は水から加熱すると、中までやわらかくなり、味もしみ込みやすくなります。煮汁などに出てくるぬめりの成分は、取り除かない方が栄養素をより多く摂取できます。気になる場合は皮をむいてから酢水につけたり、1度ゆでこぼしたりするとよいでしょう。

保存するなら
泥付きのまま新聞紙などで包み、風通しの良い所で保存すれば、3週間くらい持ちます。低温障害を起こすため冬場は冷蔵庫に入れず、常温で保存します。

皮をむいて下ゆでしたものは、冷蔵で3日ほど保存できます。冷凍する場合も下ゆでしてからにし、使う時は半解凍で調理します。

【管理栄養士・今井久美】