<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

香りが命のマツタケは、赤松の根元に生えるキノコで、原産地は日本を含む東アジアです。人工栽培が難しいため高級で、国産は9~10月頃が旬。中国、韓国、アメリカ、カナダなどの外国産も含めると、7~11月頃に市場に出回ります。

軸が太くて弾力があり、しっとりして乾燥していないものが新鮮です。傘が開くと香りが抜けてしまうため、開く前の物が良いと言われています。

主な栄養素と無駄なく摂るコツ
独特の香りが特徴的ですが、ほかのキノコ類と同じくビタミンB群が豊富で、低エネルギーです。食物繊維は不溶性と水溶性がバランス良く含まれ、整腸作用があります。

国産と外国産では、香りの点で国産が勝りますが、栄養価には違いがありません。

うま味成分のグアニル酸が含まれ、加熱によりうま味が増します。グアニル酸は水溶性のため、土瓶蒸し、お吸い物、マツタケご飯など汁ごと食べられる調理法がおすすめです。加熱し過ぎると、食感や香りが失われるので注意しましょう。

調理の際も香りを守るために水洗いはせず、絞ったふきんなどで汚れをふき取ります。包丁で切るより手でさいた方が、より香りを楽しめます。

保存するなら
香りは時間とともに薄れてきます。入手したらなるべく早めに調理しましょう。保存する場合は新聞紙かラップで包んでポリ袋に入れ、冷蔵庫へ。

すぐに使わない場合は冷凍保存も可能です。香りをより残すには切らずに冷凍し、調理直前にカット。使いやすさを考えれば、食べやすい大きさにカットしてからラップで包み、冷凍します。使うときは自然解凍で、半解凍のまま調理します。

【管理栄養士・今井久美】