HMBとは、β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate)のこと。BCAAの1つ、筋肉タンパク質合成に有効なアミノ酸、ロイシンの代謝産物です。ロイシンの約5%がHMBに変換されると報告されています。

高齢者がHMBを1日2g、4週間補給したところ、体重や筋肉量の指標が改善。また高齢者に、HMBにアルギニンを混合したサプリメントを補給した結果、筋力や身体機能が向上したという報告があります。

このようなことから、HMBが筋肉増量に効果があるとして、さまざまなメーカーがサプリメントを販売していますが、成長期におけるデータはありません。

タンパク質多い食品に含まれる

ただし、ロイシンにおける筋肉増量の有効性は明確になっているので、ロイシンを多く含む食品を摂取することは心がけたいですね。アルギニンと組み合わせて摂ると、一層効果があるようです。

ロイシンとアルギニンを多く含む食品は、肉の赤身(牛や豚もも肉やロース肉)、鶏むね肉、大豆製品(豆腐、高野豆腐、豆乳)、魚(カツオ、マグロ)などです。ロイシンもアルギニンもアミノ酸ですから、タンパク質の多い食品に多く含まれます。

しかし、筋肉を作るためには、タンパク質だけ摂ればいいわけではありません。エネルギーになる炭水化物や脂質、タンパク質の代謝に必要なビタミンB6など、ビタミンB群も十分に摂りましょう。

参考:日本人の食事摂取基準2015年度版

【管理栄養士・今井久美】