<栄養素を無駄なく摂る食べ方:野菜編>

ひねショウガ(左)と新ショウガ
ひねショウガ(左)と新ショウガ

 香味野菜としておなじみのショウガは、肉や魚の臭み消しなどに効果を発揮するほか、独特の辛みや香りが食欲を増進させ、血行や発汗を促すなどさまざまな効能があります。

 5月頃から出回る新ショウガは、2~3カ月貯蔵されてから出荷されるひねショウガとは異なり、収穫後すぐに出荷されるもの。みずみずしさが特徴で、辛みが穏やかなため、甘酢漬けや炊き込みご飯などで、この季節にしか味わえないおいしさを楽しみましょう。

主な栄養素
 カルシウムやリンとともに、骨の代謝に関わるマンガンを多く含みます。独特の辛み成分はジンゲロールで、加熱するとショウガオールに変化し、血行促進や体を温めて発汗を促す効果があります。香り成分には胃腸の機能を高める作用があり、胃液の分泌を促して食欲を増進させます。ジンゲロールが分解して生成されるジンゲロンには、殺菌作用があります。

保存するなら
 風通しのよい場所であれば常温でも日持ちしますが、乾燥すると筋っぽくなるため、湿らせたキッチンペーパーか新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫で保存します。すりおろすかみじん切りにし、冷凍保存しておいても重宝します。

栄養素を無駄なく摂るコツ
 辛みや香りの成分は細かくするほどよく働きます。肉や魚の臭み消しにはすりおろしたり、薄切りにするなどして加えましょう。また、ショウガにはタンパク質を分解する酵素が含まれるため、肉をショウガ汁に漬けるとやわらかく仕上がります。

 新ショウガは皮をむいて薄切りにし、甘酢に漬けるほか、せん切りにしてかき揚げや肉巻きにしたり、ソラ豆、グリーンピース、トウモロコシなどと一緒に炊き込みご飯にしてもおいしくいただけます。

【料理研究家、栄養士・今泉久美】