葉酸は、細胞のDNAの合成に必要な水溶性ビタミンです。細胞の分裂、増殖を助けるので、胎児の発育に必須です。妊娠初期に不足すると胎児の障害リスクが高まるため、厚生労働省は、妊婦や妊娠の可能性がある女性に葉酸のサプリメント摂取をすすめています。サプリメントでは、プテロイルモノグルタミン酸という化学名で配合されています。
また、赤血球が作られる時に不足すると、奇形の赤血球が作られてしまうため、鉄分が足りていても貧血になります。成長期や新陳代謝の激しいアスリートは必要量が増大するため、しっかり摂りたいビタミンです。
大人や高齢者、アスリートも必要
不足すると、ビタミンB6やビタミンB12と同様、動脈硬化を促進するホモシステインが血中に増加してしまうため、大人や高齢者にも必要です。
葉酸は、字のごとく「葉野菜」に多く含まれています。ブロッコリーやアスパラガス、ホウレン草、モロヘイヤ、春菊、菜の花など緑色の葉野菜に多いので覚えやすいですね。葉野菜以外には、枝豆、納豆、きな粉、ノリ、レバー、ウナギ、イチゴ、アボカドというように、幅広い食材に含まれています。
野菜を十分に食べていれば不足の心配もなく、通常の食品を摂取している人では過剰症の報告もありません。
だたし、調理によって損失しやすい栄養素です。たくさんの湯でゆでたり、加熱したりすると、葉野菜の葉酸は約半分、ブロッコリーは約6割に減少します。ゆでるよりも電子レンジや蒸し器を使用した方が損失は少ないでしょう。【管理栄養士・今井久美】
参照:日本人の食事摂取基準2015年度版