<キッチンは実験室(28):牛乳で固まるデザートの秘密>

皆さん、こんにちは。キッチンの科学プロジェクト(KKP)のみせすです。今回は夏休みの自由研究のテーマにぴったりな家庭で簡単に作れる「牛乳で固まるデザート」を紹介します。冷えた牛乳を加えて混ぜるだけで簡単に、ぷるぷるしたフルーツ風味のデザートが出来上がり。その裏には、どんな科学が隠されているのでしょうか。

牛乳で固まるデザートとして、「フルーチェ」(ハウス食品)などの商品が市販されています。

それらのパッケージを見ると、作り方は以下の通り。

  1. ボウルに固まる素を入れる。
  2. 冷えた牛乳200mlを加える。
  3. スプーンでとろりとするまで大きく混ぜる。
     ※種類別牛乳を使ってね。乳飲料や加工乳や豆乳では固まりません。

さらに「固まる理由」について、「固まる素の食物繊維(ペクチン)と牛乳のカルシウムがくっついてプルンとなるよ」と書かれています。

これだけ読んでも、どうして固まるのか、理解しきれない方もいるのではないでしょうか。実際に作ってみたら、以下のようなことはありませんでしたか? 実験で、その理由を明かしていきましょう。

<シーン1>
牛乳の種類を変えると固まりやすさが変わった。
牛乳ではなく、豆乳を使ったら固まらなかった。

固まりやすい牛乳と固まりにくい牛乳があるようですし、見た目が似ている豆乳では固まらないようです。それでは実験です。

実験:水で固めてみよう

材料
 固まる素(ペクチン)50mgに対し、3つの「水」50ccずつを用意します(固まる素:水=1:1の割合)。

A. 水道水
B. ミネラルウオーター(日本で採れた軟水)
C. ミネラルウオーター(海外で採れた硬水)

実験1
見た目はどれも同じ水。それに「固まる素」を入れると…。

結果は、A、Bは固まらないのに対し、Cの硬水は固まってしまいました。

実験2

A、Bに、カルシウム含有量約60mgのサプリメント1粒を粉末にしたものを加えます。すると…

Cと同じように固まりました。

結果
つまり、ペクチンが固まる理由は「カルシウム」と反応するからです。牛乳200mlあたり、カルシウム約230mgで固まりますが、加工乳でカルシウム含有量の少ないものは固まりにくく、カルシウムが入っていない豆乳では固まりません。

このことから、市販商品のパッケージには、成分を調整していない種類別牛乳で作るよう注意が書かれているのです。

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