水にさらす時はどんな時?

さて、ジャガイモ料理の下処理として、切った後に水にさらす時とさらさない時があります。理由をご存じですか? ジャガイモの「粘り」を利用するか、切り口の色を生かすかどうかによって、工程が分かれるのです。

ジャガイモを切ると、白っぽい粉のような粘りのある液体、でんぷんが出ます(これを取り出して乾燥させたものが片栗粉)。この粘りを調理に利用する場合はそのまま使いますが、利用したくない場合は水にさらすのです。

例えば、でんぷんの特徴を利用した料理として、ジャガイモを薄くスライスして層状に焼くポム・アンナやポテトグラタンがあります。ポム・アンナでは、でんぷんの粘りによって、重ねたジャガイモがくっついて焼き上がると一層おいしくなりますし、ポテトグラタンも、でんぷんがソースに溶け出してとろみがでると、よりまろやかになります。

一方で、水にさらす場合は、中華の炒め物など粘りを出したくない料理を作る時や、焦げにくくする時。でんぷんには、糖(糖質、還元糖)が含まれているので、水で洗い流す意味もあります。また、フライドポテトを揚げる時も、たっぷりの水で10分ほどさらします。

還元糖は焦げの原因となる物質

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