<キッチンは実験室(9・下):ミカン大福とおせち>

 みなさん、こんにちは。キッチンの科学プロジェクト(KKP)の「みせす」こと金子浩子です。いよいよ今年も終わり。後編では、おせち料理のお話とミカン大福の作り方を紹介します。

 おせちの語源は「お節供(おせちく)」。季節の変わり目である“節”句に、お“供”え物をしたのが省略され、「おせち」になりました。お正月に使う「祝い箸」の両端が細くなっているのは、神々様と一緒に食べる「共食」の文化からと言われています。

 ユネスコ無形文化遺産に登録された和食は、4つの特徴があります。
(1)多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
(2)栄養バランスに優れた健康的な食生活
(3)自然の美しさや季節の移ろいの表現
(4)年中行事との密接な関わり

 おせちはまさに上記を象徴する料理。自然の恵みに感謝し、家族の健康長寿を祈りながら、家族みんなで食べるものとなっています。

子どもも作れるおせちは多数

 さて先日、埼玉県の公民館で小学生高学年を対象とした「こどもおせち講座」を開催しました。安納芋や紅はるかなどの甘いサツマイモを蒸して皮をむいてつぶし、栗の甘露煮と混ぜるだけの即席栗きんとん。砂糖とみりんとしょう油を煮詰めて、煮干しを入れて絡めた田作り。はんぺん、卵、調味料をフードプロセッサーへ入れて、オーブンで焼いて巻けた伊達巻。こんな風に子どもでも簡単に作れるおせちは、いっぱいあるんですよ。

 おせちはいまや、買って食べるものになりつつありますが、昔は各家庭で、年末から手間をかけ、作りこんだものでした。今回、子どもたちと実際に作ってみると、砂糖の使用量が多いことが分かりました。砂糖を使ったり、味が濃かったりするのは、日持ちをさせ、家族団らんでゆっくり食べられるようにするため。また、砂糖の働きの1つに防腐効果があります。空気中の水分とくっつくことで雑菌が繁殖できないようにするのですが、おせちもそれを利用しており、昔の人の知恵を感じられます。

作ってみよう「ミカン大福」

 さて、そんなおせちにぴったりの和菓子が「ミカン大福」です。家族で過ごす年末年始にぜひ作ってみて下さい。

 「大福」の語源は、うずらの大きなおなか。「大きな腹」から縁起を込めて「大福」になったといわれています。来年も、皆さまに大きな福が来ますように。そんな願いを込めた今回のコラムでした。よいお年をお迎えください。

<ミカン大福のつくりかた>
<材料>
皮むきミカン
 ミカンSサイズ…1個
 重曹…大さじ1
 水…200cc

求肥のもと
 白玉粉…30g
 砂糖…大さじ1
 水…30cc
 片栗粉…適量

 白あん…40g 

<作り方>
1.ミカンの外側の皮をむく。
2.鍋にミカンがかぶる程度の水と重曹を入れて沸騰させる。
3.ミカンを入れたら中火にしてゆでる。しばらくすると薄皮がむける。
4.すくい網やフライ返しでそっと取り出し、氷水につける。
5.取り出してキッチンペーパーでしっかりと水けをとる。
6.鍋で求肥を作る。白玉粉、砂糖、水をよく混ぜて中火にかける。
7.ねっとりと半透明になったら片栗粉を敷いたバットに出す。
8.ミカンを白あんで包み、その上から7でできた求肥で包んで出来上がり。

金子浩子

子ども向け食育ボランティア団体「キッチンの科学プロジェクト(KKP)」代表・講師
東京薬科大生命科学部卒/群馬大学大学院修士(保健学)。中・高校教諭一種免許状(理科)取得
国際薬膳師・国際薬膳調理師・中医薬膳師。キッズキッチン協会公認インストラクター。エコ・クッキングナビゲーター