<諏訪商店(下)>

 築地場外の佃煮専門店「諏訪商店」の看板女将、諏訪美千子さん(52)は、一際目を引く美魔女です。1984年2月~85年1月、テレビ朝日系で放送されたスーパー戦隊シリーズ第8作「超電子バイオマン」の「ピンク5(ファイブ)」を演じた元女優牧野美千子で、今も時折、お店のかたわら主婦モデルやイベント出演を行っています。

左から諏訪商店の諏訪敏彦専務、女将の美千子さん、次男の友彦さん
左から諏訪商店の諏訪敏彦専務、女将の美千子さん、次男の友彦さん

 バイオマンに出演した3年後に結婚し、芸能界を引退。しばらく専業主婦だったものの、15年前に4代目社長の義父が倒れ、会社員だった夫敏彦さん(55=専務)が家業を継ぐことになり、生活が一変。男児2人の育児をしながら手伝いを始めました。

 当時はプロ相手の問屋だった諏訪商店でしたが、量り売りの小売りを始め、新規顧客を開拓。元々店頭での接客業が合っていたのでしょう。いつしか女将目当ての常連客も増え、一時傾いていた経営も持ち直し、今でも「ピンクのお店」を訪ねてくる中年ファンもいるといいます。

 かつて地球を守ったピンク5の活躍は、今でも世界規模。日本の戦隊シリーズは海外でも人気ですが、フランスでは「バイオマン」が初めて放送された“元祖”として、レジェンド扱い。昨年2月、パリのイベントに招待された美千子さんは、熱狂的な歓声を浴びてきたといいます。

外国人にも積極的にPRする美千子さん
外国人にも積極的にPRする美千子さん

 そんな人を引きつける力は、観光スポットとなった築地でも発揮。佃煮を初めて見る外国人に、英語を交えて積極的に説明、試食を勧めます。特に夏場は日本人の客足が遠のくため、海外旅行客へのPRが重要。「みなさん、最初はしょっぱくてすごくびっくりしますけど、ナッツ感覚のあるしらすクルミが人気ですね」(美千子さん)。

 多忙にもかかわらず、心身ともに若さと美貌を保てるのは、まさに佃煮効果。プラスして「築地効果」だと美千子さんは言います。11月に築地市場の移転が予定され、さらなる進化、変化を遂げるだろう築地場外は今、活気にあふれています。「ここは80代でも元気な方がいっぱい。50代なんてまだまだ若いって錯覚するんです(笑)」。4年後には東京五輪。栄養価の高い日本の伝統食・佃煮を世界へどう発信、進化させていくのか、ピンクの手腕に期待です。

諏訪商店

住所:東京都中央区築地4丁目10番8号
電話番号:03-3541-6871
営業時間:3:00~14:00
休業日:日曜・祝日・市場休市日