春に向けて、1、2年生が活躍する大会が始まります。これまで3年生の先輩の背中を見てきましたが、いざ自分たちとなると、準備に不安があるようです。食事では「何を食べたらいいのかな?」「補食は何がいいかな?」と悩んでいる様子です。

試合前の糖質量の増やし方

試合前の食事としては、コンディションの維持とエネルギー源を確保するため、「主食・主菜・副菜」などの食事の基本スタイルに揃え、エネルギー源の糖質を意識して摂るようにしましょう。試合の3日ぐらい前から、ご飯の量を増やす、うどんを追加、果物を増やすなどで少し糖質量を増やしていきましょう。

ただ、気合が入りすぎて「何か特別な食事を!」と不慣れな食事をすることは逆効果です。また、「糖質中心」を意識しすぎてご飯やパンだけの食事となるのもよくありません。タンパク質のおかずや野菜が少なくなって便秘や下痢、消化不良などで腸内環境が崩れる原因となります。家で食事ができる場合は、普段から食べ慣れた食事にしましょう。

食中毒の予防で生ものは控えて

さらに食中毒の予防として、刺身や寿司など生ものは控えましょう。作った料理を出しっぱなしにしないなどの温度管理も忘れずに行いましょう。冬の時期はカニ、エビ、ブリなどの新鮮なお刺身もおいしいのですが、ちょっとしたことで試合に出るチャンスを逃したら、せっかくの準備が台無しになってしまいます。生ものは試合が終わってから食べるようにしましょう。

普段からの積み重ねが大切

試合前の準備は大切ですが、「さあ、試合だ!」とそのときだけやろうとしてもうまくいかないこともあります。普段からしっかりと試合を想定して、食事を含めたタイムスケジュールを確認しておきましょう。練習試合などでシミュレーションしておくことが大事です。

緊張する試合前日や当日の朝も、普段から朝食をしっかり食べていれば、食べられます。食事量が減らなければ、食事に含まれている水分もしっかりとれるので、脱水状態で試合に臨むというリスクも減ってきます。何事も日常から、ということです。

今回は「もち麦ご飯のみそ焼きおにぎり」を紹介します。白米に、お好みの量のもち麦を加えて炊いてください。

朝食や補食におすすめで、糖質や塩分を簡単に取り入れることができます。こんがりと焼けたみその香ばしさが、緊張もほぐしてくれそうですね。選手の皆さんがベストパフォーマンスを発揮できるよう応援しています。

管理栄養士・舘川美貴子