私が住む北陸地方の富山県は冬本番、気温が一層下がり、雪が降り積もる季節となりました。1人暮らしの選手たちからは「雪が降ると家を早く出なくてはならず、早く起きても除雪、渋滞と朝食の準備も、食べることも難しくなってきた!」と困っている様子が届きます。

ただでさえ、悩みの多い朝食ですが、冬になるとさらに悩みが深くなります。まずは、「簡単に食べる」ということから考えてみましょう。

作り置き、前日に用意しておく

メニュー例
・ご飯、納豆、具だくさんみそ汁、ヨーグルト
・ハムサンド、ミネストローネ、ヨーグルト、バナナ

ポイント
①時間のない時は、おかずや副菜を作ることができないこともあります。前日に具だくさんみそ汁を作っておけば、朝温めるだけで副菜をカバーできます。
②ゆで卵、きんぴらごぼう、ひじきの煮物などは作りおきしておくと便利ですね。惣菜を購入するなど既製品も利用しましょう。ただし、作り置きは気温の低い冬とはいえ、長期の日持ちはしません。使う際は再加熱して、においを確認するなど衛生管理に気をつけましょう。
③調理不要の納豆、チーズ、ヨーグルト、野菜ジュースなどもストックしておくと便利です。
④冷凍食品、缶詰、カット野菜なども使いましょう。焼魚、唐揚げなどの調理済みの冷凍食品、ホウレン草、ブロッコリーなどの冷凍野菜、せんキャベツ、ミックス野菜などはそのまま食べられますし、時短調理にもなります。

1度でたくさんの食品を食べられるようにする

メニュー例
・おにぎり、サンドイッチ、汁物など

ポイント
①食べるのに時間がかからないよう、箸や食器の使用を減らし、食べやすい形で提供する。
②手でつまめるおにぎりやサンドイッチも「糖質+タンパク質」を意識する。おにぎりの具をツナやそぼろにしたり、タンパク質源の入った炊き込みご飯をおにぎりにしたり、サンドイッチもチーズやハムを具にしたりする
③おかずを別の皿にするのではなく丼やワンプレートにしたり、野菜を汁物に入れたりして皿数を減らす。

このようなことを意識していても、上手に朝食を揃えられないこともあるかもしれません。そんなときもあるので悩まず、少し気軽に構え、足りない栄養素は朝食以外の食事で補い、既製品に頼ることも選択肢の1つにして、長い目で整えていきましょう。

今回は「チキンカレーシチュー」を紹介します。シチューは冷えた体を温めてくれる、冬場に人気のメニューです。鶏肉にジャガイモ、ホウレン草、シメジなど具だくさんで、カレースパイスを加えているので食欲もわきますね。

例えば、最初はカレースパイス抜きで「チキンシチュー」を作り、翌朝にカレースパイスを加える形で“味変”して2度楽しむ方法もあります。時間がない朝は、ご飯にかけて食べてもいいですし、パンを浸して食べてもOKです。色々アレンジしながらお試しください。

管理栄養士・舘川美貴子