インフルエンザが大流行していますが、ノロウイルスによる食中毒も猛威を振るってきました。

新型コロナウイルスの流行により、手洗い、アルコールによる手指消毒など衛生管理には気をつけるようになりましたが、「消毒」というとアルコール消毒を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。「アルコールで消毒すれば大丈夫」「アルコールは万能で清潔になる」と思っている人もいると思いますが、対処方法やウイルスの対象を間違えると、効果がない可能性もあります。

構造の違いで効かないものも

実は、アルコールは全てのウイルスや菌に有効なわけではありません。有効なウイルスとそうでないウイルスがあるのです。アルコール消毒はインフルエンザや新型コロナのウイルスには有効ですが、ノロウイルスには効果がないことがわかっています。

理由は、ウイルスの構造に違いがあるからです。ウイルスにはエンペロープ(脂質性の膜)があるもの(エンペロープウイルス)とないもの(ノンエンペロープウイルス)があります。アルコールは脂質を溶かすことができるため、エンペロープをもつウイルスであれば、膜を破壊して感染力をなくすことができますが、ノロウイルスはエンペロープを持っていないため、アルコールは効力を発揮できず、感染力をなくすことができないのです。

石けんで手洗い、加熱殺菌、次亜塩素酸

ノロウイルスと同じでアルコールの効かないウイルスには、ロタウイルス、アデノウイルスなどがあります。対処法としては、石けんと流水でしっかりと手洗い。また、次亜塩素酸ナトリウムでの殺菌、85℃以上で90秒以上の加熱が有効です。

帰宅後や食事前、調理前、トイレ後などは、まずはしっかりと手洗い。その上でアルコール消毒もすると良いでしょう。

冬場は水が冷たいから手洗いをしたくない、流水に長い時間触れたくないと思う人もいるかもしれませんが、感染症対策の基本をしっかり行うことで、自分と家族、チームメイトを守ることになります。基本に立ち返り、手指の衛生に努めましょう。

今回は「豚肉とキャベツの粒マスタード煮込み」を紹介します。寒い時期には、煮込み料理は体が温まり、食べやすいですね。

野菜はキャベツ以外にもニンジン、シメジを使っています。素材を生かした優しいメニュー。お好きな野菜を加えて楽しんでください。調理の前後は手洗いも忘れずに。

管理栄養士・舘川美貴子

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