「試合の前はご飯がいいの? パンがいいの?」
これから試合に臨む選手から質問を受けました。

試合前の食事のポイントの1つに、「エネルギー源である糖質を多めにとる」ことがあります。糖質の多いものは主に主食となるものが多く、ご飯やパン、麺などが挙げられますね。そこで、糖質をとるにはご飯が良いのか? パンが良いのか? といった疑問が生まれたようです。

どちらがいいのか、気になるところですね。まずは栄養成分を比べてみましょう。

上記の表を見ると、ご飯や玄米とパン(食パン、ロールパン、フランスパン、クロワッサン、メロンパン)との大きな違いは「脂質」です。100gあたりでは、ご飯が0.3g、食パンは4.1gとなっています。これは、パンを作る過程でバターを使用するからですね。

パンを種類別で脂質を見ると、100gあたりでは、フランスパンが1.3gと最も少なく、クロワッサンは26.8g、メロンパンは10.5gととても高いことがわかります。クロワッサンはサクサク感を出すためにバターを練り込んで層を作り、メロンパンも表面のサクサクのクッキー生地をたくさんのバターを使用して作るからです。バター風味が香る味わい深いパンはその分、脂質が高い可能性があります。

炭水化物は100gあたりではご飯が37.1gと少なく見えますが、ここでは実際に食べる量を考えることも大切です。食パン6枚切りはおおよそ60gなので、100gとするなら1枚半弱が必要です。食パン6枚切り1枚で考えてみると、27.8gとご飯より少なくなります。

タンパク質は5.3gとご飯より多く含まれていますが、食事としてご飯やパンの主食だけではなく、おかずも一緒に食べることを考えると、どっちがいいというよりも、全体としての組み合わせが大切になってくると思います。

試合前日や当日は「消化が良いもの」もポイントになってくるので、天ぷらや揚げ物などの脂質の多いものは控えます。試合前は「食べ慣れた食事」もポイントであることから、普段から「朝はパン」が多いなら、食パンやフランスパンを選ぶと良いでしょう。脂質の多いクロワッサンやデニッシュ、メロンパン、ホイップクリーム入りのパン、バターやマーガリンをたっぷりと塗ったようなパン、カツサンドやコロッケサンドなどは控えておきましょう。

パンを主食とした場合、糖質(炭水化物)を増やす工夫として「イチゴジャムやはちみつをつける」「バナナやイチゴなどの果物を多めにする」「スープにジャガイモを入れる」などを加えるのも手です。主食だけでなくおかずも一緒に考えると無理なく糖質を増やせます。

今回は、糖質が多くとれる「サツマイモと黒豆のご飯」を紹介します。今が旬の甘くておいしいサツマイモと黒豆で、糖質とタンパク質をとることができるメニューですね。

試合前の主食としても、持ち運び便利なおにぎりにして補食としても活用できます。「食欲の秋」にぜひ作ってみてください。

管理栄養士・舘川美貴子