サッカー、ラグビー、バスケットボール、バレーボール、駅伝やウインタースポーツなどこれから全国大会につながる大切な試合が続く競技があります。地方大会や予選を控えた選手たちは現在、試合に向けてコンディションを保つことに必死です。疲労を蓄積させないために選手やサポート陣は何に気をつけたらよいでしょうか。

疲労が蓄積する原因は次のことが挙げられます。

運動により、貯蔵エネルギーのグリコーゲンが減少すること
筋肉の損傷、筋肉痛
大量の発汗による脱水状態

これらの状態からコンディションを元に戻すためのリカバリー(回復)の方法としては、食事や水分補給のほかにアイシングやアイスバス、ストレッチやマッサージ、睡眠、休養などがあります。

栄養面では「リカバリーのための食事」が大切になってきます。主食・主菜・副菜・汁物・果物・乳製品の「基本の食事」をベースにしながら、練習や試合の後は糖質とタンパク質を摂取し、失ったエネルギーと壊れた体を修復。さらに失った水分を補給し、脱水の状態を長く続けないことが重要です。

練習や試合後のリカバリースケジュール例

(1)練習後、試合後5分から15分
糖質、ミネラル、水分補給としてエネルギーゼリー、スポーツドリンク、オレンジジュース

(2)練習後、試合後30分から1時間以内
糖質、タンパク質の摂取。おにぎりとサラダチキン、卵サンドとバナナジュースなど

(3)練習後、試合後2時間以内
糖質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの摂取。主食、主菜、副菜がしっかり揃ったバランスの良い食事

練習後や試合後はなるべく早く補食を食べられる環境作り「リカバリールーティーン」を作っておきましょう。練習後のミーティングは補食を食べながらでも良いという体制を作っておくのも手ですね。

その後の食事は、糖質源であるご飯などの主食はもちろんのこと、タンパク質源である肉や魚などの主菜、ビタミン・ミネラルを豊富に含む野菜・海藻・キノコ類などを使った副菜、果物、乳製品の揃うメニューを心掛けましょう。食欲のない時は、麺類やカレーなど食べやすいメニューを考えておきましょう。

トレーニングをすれば必ず疲労しますが、いかに早く回復させるか、疲れを引きずらない食事、生活を心がけていきましょう。

さて、ほくほくのジャガイモ、しっとりとしたサケがとてもおいしい季節になってきました。今回は季節の素材を生かした「秋サケとジャガイモのグリル」を紹介します。シンプルにグリルで焼くだけなので、その間に他の料理もできるのも良いですね。

糖質とタンパク質がとれるので、リカバリーにも試合前にもおすすめです。

管理栄養士・舘川美貴子