夏が近づき、熱中症のリスクが高まる季節になってきました。暑くなる日も年々早まっています。今から「暑熱順化(しょねつじゅんか)」を始めましょう。

最近では、テレビや雑誌なども取り上げるようになりましたが、「暑熱順化」とは暑さに身体を慣れさせることです。体は、体温が上がると皮膚血管を広げて血流量を増やし、体の表面から熱を逃がし、汗による気化熱で体温を下げます。こうした能力は1年中同じではなく、2週間ほどかけて暑さに慣れながら高まっていきます。

暑熱順化ができていると熱中症の予防につながりますが、急に気温が上がる時期はまだ対応ができていないため、体内から熱が逃げにくく、汗がうまくかけずに熱中症になるリスクが高くなるのです。

暑熱順化する方法、ウオーキングや入浴

暑熱順化する方法は、次を参考にしてください。暑熱順化はアスリートも必要ですが、あまりスポーツになじみのない一般の方も必要です。これをきっかけに、ウオーキングや軽いジョギングなど体を動かすことを始めてみるのも良いですね。

(1)最高気温が25℃前後になったら、30分程度の早足ウオーキングや軽いジョギングを週に5回程度行う。「ややきつい」と感じるペースが良いとされています。水分補給はしっかりと行い、脱水に注意しましょう。

(2)毎日の入浴は40℃程度の湯船にしっかり浸かりましょう。汗をかく体にすることがポイントなので、10~15分を目安に汗が出るまで浸かってください。体の負担がかかるようなら短縮してください。入浴前後には必ず水分を補給し、脱水に注意しましょう。

いずれもあくまで目安ですので、その日の体調や気温に応じて無理のない範囲で行い、水分や塩分などを補給してください。梅雨などで気温が下がり、数日間暑さから遠ざかると効果は弱まってしまいますので、そのときはまた、暑熱順化を始めましょう。

今回は、「鶏むね肉と夏野菜の塩昆布あえ」を紹介します。キュウリやトマトを使い、ミネラルもたっぷりとれるおかずになります。

夏は暑さで食欲が落ちがちですが、このレシピはさっぱりと食べやすいので、まずは一口、口にして、胃腸を動かして欲しいものです。

管理栄養士・舘川美貴子