脱水は、夏の暑い季節だけではなく1年を通して起こる可能性があります。進学や進級など新しい季節が始まる春も、脱水の意識を忘れてはいけません。寒暖差が激しく、体温調節の準備もできていないため、実は体の異常が起きやすく注意が必要なのです。

環境の変化と脱水の関連性

春の脱水は、入学や就職など「生活の変化が大きい」人がなりやすいのが特徴です。

小学生から中学生、中学生から高校生へとステージが上がった新入生は、通学や授業時間が長くなり、また新たにクラブ活動が始まると、その流れに必死についていこうとします。ライバルたちとの競争もあると無理をしたり、無理が重なってうまく食事や睡眠がとれなくなってきたりします。それでも突き進んでしまい、体調を崩すことがあります。

特に小学1年生は、今までと環境が一変します。中学、高校1年生は受験勉強もあったことから運動不足や肥満気味なことも多く、できると思っていても体が追い付かず、難しい場合も多くなります。

基本的には、初めから無理をせず、普段から喉の渇きや肌の乾燥にも気をつけ、脱水の兆候に気づけるようにしましょう。喉が渇く前に水分補給できる環境を作れるといいですね。

もちろん、自分の体調の変化は自分で気付き、気をつけることも必要ですが、低学年では難しいものです。先生や指導者、コーチなどには、選手や生徒の体調の変化に気を配って欲しいですし、生活リズムや気候、勉強、運動内容などに体が慣れるまで、「春も脱水のリスクがある」ということを忘れないでください。

新社会人も水分補給を意識して

新社会人の皆さんにも同じことがいえます。体が気候や生活リズム、練習や仕事に慣れるまでは、緊張からの発汗や水分をとるタイミングがつかめず、脱水リスクがあることを自覚しましょう。この点は、職場の管理者や上司にも理解を示して欲しいところです。

社会人になると、「アルコールで水分補給すればいい」と思われがちですが、アルコールは利尿作用があり、多飲は脱水を引き起こします。楽しいお酒の場では、チェイサーやお茶なども取り入れ、脱水に注意しましょう。春を穏やかに過ごすためにも、水分補給に意識を向けましょう。

今回は、「豚肉とモヤシとニラのあんかけご飯」です。八宝菜などと同じく、あんかけスタイルで丼にするとご飯が進みますし、忙しい朝でも食べやすいメニューです。野菜から水分がとれるので、脱水が気になるとき、食事からの水分を意識するときは、野菜を多くとるのもポイントです。

管理栄養士・舘川美貴子