3月下旬に全国大会など大きな大会がある競技は、その前の寒さの厳しい時期に予選となる地方大会を迎えます。勝ち上がって出場権を得たなら、全国大会に向けて競技スキルを磨くと同時に、風邪などをひかないよう体調の管理も必要となってきます。

大会に向けて遠征や練習試合が続くと、疲労がたまりますし、冬場の寒さや乾燥から体調を崩しやすくなります。日頃からハードなトレーニングを積んでいるアスリートは、人一倍健康なイメージがあるかもしれませんが、実は激しいトレーニングで免疫力が低下するため、アスリートの方が風邪をひきやすい傾向があるのです。

体調を崩さず試合に臨むために、食事はどのようなことに気を付けたらよいでしょうか。

免疫力低下を防ぐ「ビタミンACE」

免疫力の低下を防ぐためには、普段の食事からエネルギー量を充実させ、免疫細胞の素となるタンパク質をしっかり摂ること。また、免疫機能を高める抗酸化作用に優れた「ビタミンACE」を積極的に摂ることです。

ビタミンAは脂溶性のビタミンです。ニンジン、カボチャ、ブロッコリーなど緑黄色野菜に多く入っており、のどや鼻の粘膜を保護します。

ビタミンCは水溶性のビタミンです。食事で摂る分には多く摂っても水に溶け、尿として流れていきます。オレンジ、イチゴ、ミカンなどの果物やピーマン、ブロッコリー、カボチャなどの野菜に多く含まれています。緑黄色野菜だけでなく、キャベツなどの淡色野菜やサツマイモ、ジャガイモなどのイモ類にも多く入っています。免疫機能を強化し、活性酸素の働きを抑制する抗酸化作用があります。

ビタミンEは脂溶性のビタミンで、強い抗酸化力をもっています。細胞膜を健全に保ち、血行を良くする作用があります。ナッツやアボカド、オリーブオイル、ウナギ、カボチャに多く入っています。

ここまで読んだ方はお気づきの通り、カボチャには「ビタミンACE」が豊富に含まれており、抗酸化力の強い食材といえます。今回は、免疫強化食材を使った「ミックスビーンズとカボチャとブロッコリーのサラダ」を紹介します。

カボチャは角切りにして、ブロッコリーも小房に分け、それぞれ電子レンジで温めるだけ。市販のミックスビーンズからはタンパク質がとれ、下処理不要でそのまま使えるので便利です。サラダやスープにも便利に使えますね。非常に簡単に作ることができますので、食卓にぜひ加えてください。

冬は生野菜よりも温めて食べやすく

冬になると、生野菜は冷たいため口にしなくなる選手もいます。冬に野菜をたくさん食べるコツとして、温野菜を利用したり、茹でたり、おでんや煮物にしたり、みそ汁やスープなどの汁物に入れたりして温かく食べやすい工夫をしましょう。

サツマイモなどのイモ類は焼いたり蒸したりすると、おいしい補食にもなります。糖質もとることができるのでイモ類は活用できます。普段の食事から、タンパク質源、野菜や果物をしっかり揃えて、風邪を予防し、体調管理に努め、ベストコンディションで試合に臨みましょう。

管理栄養士・舘川美貴子