骨を作るために欠かせない栄養素は、主に骨の材料のカルシウム、カルシウムの腸管からの吸収を助けるビタミンD、体内に取り込んだカルシウムの骨沈着の際に必要となるビタミンK、体の材料となるタンパク質が挙げられます。カルシウムは腸管からの吸収率があまりよくないため、ビタミンDやビタミンKなどを合わせて摂ることが重要となってきます。

骨強化というと、どうしてもカルシウムに目が行きがちですが、その他の栄養素も大切だということです。今回は、その中でもあまりなじみのない「ビタミンK」について見ていきましょう。

油と一緒で吸収率をアップ

ビタミンKは、油脂に溶ける「脂溶性ビタミン」です。ビタミンAなど同様に、油と一緒に摂ることで吸収されやすくなります。油を使う炒め物や揚げ物などの調理方法や、オイル系のドレッシングやマヨネーズなどをかける料理がおすすめです。

ビタミンKは食品から摂取するほか、体内の腸内細菌や組織でも作られ、私たちの体は両方を利用しています。その働きは、血液凝固や骨作りに大きく関わっています。骨に存在するオステオカルシンというタンパク質を活性化し、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促し、丈夫な骨を作るのです。

緑の葉物野菜や海藻、発酵食品

ビタミンKを多く含む食品としては、海藻類、野菜類、豆類、肉類、乳類、卵類、油脂類があります。ビタミンKの中でもビタミンK1は主に植物の葉緑体で作られるため、ホウレン草などの緑色の濃い葉物野菜や海藻類に多く含まれます。ビタミンK2は微生物によって作られるため、納豆をはじめとする発酵食品や、肉類、卵、乳製品などの動物性食品にも含まれています。

今回はビタミンKがとれるおかずとして、「ブロッコリーとツナのマスタードマヨあえ」を紹介します。緑黄色野菜のブロッコリー、ツナ缶のそれぞれにビタミンKが含まれており、マヨネーズを使うことで吸収率も高まります。

電子レンジでブロッコリーを加熱し、材料や調味料をあえるだけのお手軽レシピです。1人暮らしの選手も簡単に作ることができると思います。

管理栄養士・舘川美貴子